思い出しちゃったの? ページ24
Aside
あー良かった。
何も聞かれなくて済んだ。
と、思ってたのに。
「…あ」
たいぴーが言う。
「何?」
「聞きたいこと思い出した」
えーーー。思い出しちゃったの?
思い出さなくて良かったのに。
「うん」
分かったよ、何でも答えるよ。
そしたらまさかの爆弾が投下された。
「アコの誕生日の前さー、何かあったの?」
「…え?」
これ、聞かれたくないやつーーー。
「あの時、急にLINE素っ気なくなったじゃん?」
「あー、わんちゃんの動画送ってくれた時ね」
上手く行けば動画の話に逸れるかな、と思って返す。
「そー、アコのやつに負けた動画送った時」
動画の話にはさせないよ、って感じで返される。
作戦失敗。
「あの時、俺、何かやらかしてたの?」
たいぴーがまっすぐ聞いてくる。
これ、言わなきゃダメなやつだよね。
しかもたいぴーは多分休みないだろうから
仕事終わりに東京から来てるんだよ。
そんな人に嘘ついていいわけがない。
誠意無さすぎでしょ。
ちゃんと答えよう。
決意した時にたいぴーがそっと手を握ってくれる。
…無言のメッセージに背中を押された。
「あの時、は、ね」
思わずたいぴーの手をギュッと握ると、
たいぴーも握り返してくれた。
「うん」
少し間をあけて相槌を打ってくれる。
話しやすいように気を遣ってくれてるね。
「アコちゃんの好きなケーキ、教えてくれたでしょ?」
「うん」
「…羨ましかったの」
「え?」
「たいぴーに、好みを理解されてるアコちゃんが」
言って恥ずかしくなった。
たいぴーの相槌も止まる。
でもちゃんと本音を言うって決めたから、言う。
「幼なじみなのは分かってるけど羨ましくて」
言った。
言い切った。
恥ずかしく泣きそう。
でも東京からわざわざ来てくれたたいぴーに誠意見せられた。
よくやったよ、私。
でもほっとしたのも束の間、
「ねぇ」
「…なに?」
「こっち向いて?」
たいぴーが難題を追加した。
…嘘でしょ?
めちゃくちゃ恥ずかしいけど、たいぴーの方を向く。
私の顔を見て困った顔のたいぴー。
…そっか、私にこんなこと言われても困るのか。
それなら。
「アコちゃんのこと考えて教えてくれたのにね」
一生懸命、笑った。
ダメ、泣いたらダメ。
これ以上たいぴー困らせないでよ、私。
そんな私の顔を見て一瞬、たいぴーの顔が歪んだ、と思ったら
次の瞬間、たいぴーに抱き締められて私は腕の中にいた。
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shizu(プロフ) - ひろぴーさん» コメントありがとうございます!時系列追いついて困ってたらANNPでまさかの爪のお話あったのでもう少し書けそうです!キュンキュンになるか分かりませんがもう少しお待ち下さい☆ (2018年11月26日 4時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ひろぴー(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませて頂いています。もうー!!たまりません…めちゃくちゃきゅんきゅんします。これからも楽しみにしています。 (2018年11月24日 20時) (レス) id: feb04bb6fa (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます!時系列が追いついてきてしまったので更新が少し遅くなるかもしれませんが、今後もよろしくお願いします! (2018年11月18日 21時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - はじめまして。毎日更新楽しみです。主人公ちゃんと藤ヶ谷さんが、好きに突っ走らない感じが大人だなと思うし、こんな思いやれる関係が素敵だなと思いました。続きとっても気になります。 (2018年11月18日 10時) (レス) id: a515c6fe4c (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - AUSさん» コメントありがとうございます。嬉しかったです!少しずつの更新でご期待に添え続けられるか不安ですが、更新頑張ります! (2018年11月16日 2時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shizu | 作成日時:2018年11月11日 0時