思い出した ページ23
「…あ」
Aちゃんが油断したのも束の間。
思い出した。
聞きたいこと。
「何？」
再び不安そうになるAちゃん。
「聞きたいこと思い出した」
「うん」
「アコの誕生日の前さー、何かあったの？」
「…え？」
表情を見る限り完全にAちゃんが動揺してる。
…あ、これ聞いたら困る質問だったの？？
「あの時、急にLINE素っ気なくなったじゃん？」
「あー、わんちゃんの動画送ってくれた時ね」
動画の話にしようとしてる？
Aちゃん、必死に逸らそうとしてるよね。
「そー、アコのやつに負けた動画送った時」
理由が聞きたくなって、動画の話をたたむ。
「あの時、俺、何かやらかしてたの？」
仕事忙しかったの？とは聞かない。
ちゃんと理由が聞ける質問にした。
俺の言葉に答えないAちゃん。
言葉を選んでるの？
それとも、俺がやらかしてたから言い難いの？
…急かしたら嘘つくかもしれない。
俺は話してくれるまで待つことにした。
Aちゃんの言いたいことが言えるまで待つから。
そんな思いを込めて出来るだけ優しく手を握った。
「あの時、は、ね」
しばらくしてゆっくり話し出すAちゃん。
俺の手をギュッて握ってくる。
「うん」
ちゃんと聞くから。
ゆっくり相槌を打つ。
「アコちゃんの好きなケーキ、教えてくれたでしょ？」
「うん」
「…羨ましかったの」
「え？」
「たいぴーに、好みを理解されてるアコちゃんが」
こっちを見ないAちゃん。
「幼なじみなのは分かってるけど羨ましくて」
消えそうな声で俺の手をギュッて握って言う。
それって、ヤキモチ妬いてくれたってこと？
ヤバい。
また自惚れそうだ。
「ねぇ」
「…なに？」
「こっち向いて？」
いまどんな顔してる？
ゆっくりこっちを向くAちゃん。
やっぱり泣きそうになってる。
そして、真っ赤。
ダメだ。
抱き締めたらダメだ。
落ち着け、キング。
キングならどうする？
頼む、紳士なキング、降臨してくれ。
「アコちゃんのこと考えて教えてくれたのにね」
Aちゃんが、無理して笑う。
この顔、知ってる。
いつも停めてる駐車場の場所を俺が怒った時の顔だ。
泣くの我慢してる顔。
俺が困らないように無理して笑ってる顔。
こんな顔見られたくないに決まってるのに。
俺のために無理する彼女に完全に理性が崩壊した俺は、グイッと彼女の腕を引くと思い切り抱き締めた。
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shizu(プロフ) - ひろぴーさん» コメントありがとうございます！時系列追いついて困ってたらANNPでまさかの爪のお話あったのでもう少し書けそうです！キュンキュンになるか分かりませんがもう少しお待ち下さい☆ (2018年11月26日 4時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ひろぴー(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませて頂いています。もうー！！たまりません…めちゃくちゃきゅんきゅんします。これからも楽しみにしています。 (2018年11月24日 20時) (レス) id: feb04bb6fa (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます！時系列が追いついてきてしまったので更新が少し遅くなるかもしれませんが、今後もよろしくお願いします！ (2018年11月18日 21時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - はじめまして。毎日更新楽しみです。主人公ちゃんと藤ヶ谷さんが、好きに突っ走らない感じが大人だなと思うし、こんな思いやれる関係が素敵だなと思いました。続きとっても気になります。 (2018年11月18日 10時) (レス) id: a515c6fe4c (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - AUSさん» コメントありがとうございます。嬉しかったです！少しずつの更新でご期待に添え続けられるか不安ですが、更新頑張ります！ (2018年11月16日 2時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2018年11月11日 0時
