この想いの結末は ４

話すの？ ページ18

Aside


しばらく2人で黙っちゃう。


ふと、たいぴーが言う。


「うん、分かった」

「…何が？」


顔を上げる私。


「俺たちさぁ、ちゃんと話した方が良くない？」

「え？」

「俺が思った事と気になってる事と。Aちゃんが思った事と気になってる事を、1度擦り合わせしない？」


…それって、何話すの？
話した結果、私の気持ちがバレてもう会えないとかなるの？？
でも気になってることは話した方がいいのかな。


「…そうだね」


どうしよう。怖い。



気持ちが顔に出てたらしく、たいぴーが

「そんな顔しないでよ」

笑いながら私の頬を触る。

「だってー…」

「だって、何？」

優しく聞いてくれるたいぴー。
もうそれすら辛い。



「なんか、話し合いって怖いよ」

「怖くないよ」

たいぴーは笑う。

「考えてみてよ。そもそもマイナスな話するならわざわざ東京から来るはずなくない？」

「え？話しに来たの？」

そうだ、たいぴーが何しに来たのか謎だ。



「そういうわけじやないんだけど」

言いながら信号待ちになったからまた私の頬をふにふに触る。

…なんかはぐらかしてる？



というか。

「ね、たいぴー」

「…なに？」

「なに、これ」

私の頬を触る手を取った。


「ん？俺が触ってたいの」

「…えー」


言いながら頬をふにふにするのを辞めないたいぴー。
ニコニコしてるけど何なの？

でも近いのが嬉しい自分もいる。



信号が青に変わって、手が離れると少し寂しい。



「んー、どこか停れるとこないかな」

「駐車場だよね」


この辺観光地だから大きい駐車場は沢山あるけど。
なんなら1台しか停められないとこが…


「あ、ある」

「ん？」

「しばらくまっすぐでー…はい、ここ右」


日本平の裏道を案内する。


「…ほら、ここ1台車停めるスペースがあるでしょ？」

「あ、ホントだ」


清水を港に向かって見渡せるところ。
夜景ってほどではないけど少しは綺麗。



「もっと上行くと夜景綺麗だけど、何台も停められると周り気になるし」

「さすが、よくこーいうとこ知ってるね」

「昔ここ通った時に運転手がコンタクトズレたって言い出して慌てて停めたから偶然知ったんだよー」



女友達4人で免許取りたてでドライブしてた時に
運転してる子のコンタクトがズレて大騒ぎになって慌てて停めたんだよね。

あの時は昼間だったからこんなに綺麗なの知らなかったけど。


ここなら話、できるかな。

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