この想いの結末は ４

過去に嫉妬 ページ17

しばらく2人で黙っちゃう。


でもこのままだと埒が明かない。

よし。



「うん、分かった」

「…何が？」


俺が言うとキョトンとするAちゃん。


「俺たちさぁ、ちゃんと話した方が良くない？」

「え？」

「俺が思った事と気になってる事と。Aちゃんが思った事と気になってる事を、1度擦り合わせしない？」


これからの俺たちのために。

多分気になってること、お互いあるよね。


「…そうだね」


意を決した顔をするAちゃん。

なんか泣きそうになってない？



「そんな顔しないでよ」

笑いながらほっぺに触る俺。

「だってー…」

「だって、何？」

出来るだけ優しく聞く。



「なんか、話し合いって怖いよ」

「怖くないよ」

半泣きのAちゃんに俺は笑う。

「考えてみてよ。そもそもマイナスな話するならわざわざ東京から来るはずなくない？」

「え？話しに来たの？」

まだ怯えてる彼女。



…違うんだけど。

いま言うのは早いから、


「そういうわけじやないんだけど」


言いながら信号待ちでまたほっぺをふにふに触る。

やっぱAちゃんのほっぺ気持ちいい。



「ね、たいぴー」

「…なに？」

「なに、これ」


言いながら、ほっぺ触ってる俺の手に手を重ねた。


「ん？俺が触ってたいの」

「…えー」


ね、こんな甘い雰囲気で悪い話なんかしないよ？

だから話そう。

そんな意味もあって触ってるんだけど。



信号が青に変わって、ほっぺから手を離すと走り出す。



「んー、どこか停れるとこないかな」

「駐車場だよね」


少し考えるAちゃん。


「あ、ある」

「ん？」

「しばらくまっすぐでー…はい、ここ右」


言われた通りに行くと少し山を登る。



「…ほら、ここ1台車停めるスペースがあるでしょ？」

「あ、ホントだ」



そこに車を停めると、海の方に向かって街を見渡せる感じだった。

ものすごく綺麗な夜景ではないけど、やや夜景なのと1台しか停められないから周りを気にしなくていいのも良かった。



「もっと上行くと夜景綺麗だけど、何台も停められると周り気になるし」


Aちゃんが言う。
…やっぱりそういうとこ気にしてくれてる。


「さすが、よくこーいうとこ知ってるね」

「昔ここ通った時に運転手がコンタクトズレたって言い出して慌てて停めたから偶然知ったんだよー」


ニコニコしながら話すAちゃん。

…それ相手男なら口説こうとしてここ停めてない？
聞きたいけど怖くて聞けない。

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