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シロツメクサ Ki -side K- 1 ページ50

初恋は幼稚園だった。

妹のAと
同じ名前の女の子。

目がキレイで
髪がクルクルしてて
白い肌の女の子。



お人形さんみたい。

それが第一印象だった。



でもみんなAちゃんをいじめていた。
目の色が違うとか髪の色が違うとか。

いま思えば可愛いから意地悪言ってただけで
ホントはみんなAちゃんが可愛いって思ってたって分かる。



でも当時そんな事わかんねーから
俺はかーちゃんに

「なんでみんなAちゃんに意地悪言うの?」

聞いてみると

「そんなのAちゃんがみんなより可愛いからよー」

かーちゃんが教えてくれる。



「宏光はAちゃんのことどう思う?」

「かわいいなって思う」

「でしょ?しかもAと同じ名前よ?可愛いに決まってるわよねー」



床で寝転がってる妹のAを見る。
Aは俺と目が合うと

「にーちゃ、わんちゃんー」

犬のぬいぐるみを抱えてニコッて笑う。



俺が近づくと一生懸命体を起こして

「んっ」

体を伸ばして俺に抱きついてきた。



可愛い。
Aは本当に可愛い。

『にーちゃ』って呼ばれるとキュンってなる。



Aを抱っこしてると

「宏光はAちゃんのこと可愛いって思ってるんでしょ?」

かーちゃんが言う。

「うん」

ものすごく可愛いと思う。
Aと同じ名前だから余計に。



「なら、宏光がAちゃんを守ってあげないと」



かーちゃんに言われて火がついた。

そうだ。
誰かが守らないと。



だから次の日。

いつもみたいにAちゃんをからかう子達と
Aちゃんの間に入った。

「目も口も鼻も数は一緒じゃん。むしろAちゃんの目の色とか髪の毛とかめちゃくちゃかわいいじゃん」

少し緊張した。
みんなと違うことを言うと
今度はみんなが俺がみんなと違うって言い出すかな、って。

でもAちゃんが泣きそうな顔をしてる方が嫌だ。



「Aちゃんがかわいいからみんないじめるんだよ。気にしなくていいからね」

Aちゃんの頭を撫でると

「………ありがとう」

ちっちゃい声で泣きそうな声で
Aちゃんが言ってホッとした顔で少しだけ笑う。



「行こっ」

みんなの輪から外れたものの
女の子は何をして遊ぶといいのか分からなかった俺は
お花が摘めるところに行くと

「ここで一緒にあそぼ」

声をかけたらAちゃんがニッコリ笑って頷く。



俺だけに見せてくれた笑顔。



ズキュン、と
心臓が音を立てる。




恋に落ちた瞬間だった。

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shizu(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。最近更新頑張ってますのでまた読みに来てください。 (2021年2月6日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - shizuさんのお話、ほんとどれも大好きです。また更新楽しみにしてます♪ (2021年2月3日 22時) (レス) id: 08f03cdb41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年1月28日 12時

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