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妹。F -side you- 33 ページ5

また歩きだそうとした時

「あ」

何かに気づいた永瀬くんが呟く。



その視線の方に振り返るとたい兄がいた。
もしかして駅まで迎えに来てくれようとしたのかな。

「たい兄ごめん!」

駆け寄るとたい兄がホッとした顔をしてるから
やっぱり心配してくれてたんだ。



電池が切れて連絡できなくて永瀬くんが送ってくれた事を伝えると
永瀬くんとたい兄が挨拶してて。



…もしかしてたい兄誤解するかな。

私のこと、意識してくれるかな。



少しニヤニヤしちゃいながら
永瀬くんを見送ると

「たい兄ごめんね」

改めて謝る。



たい兄はどんな反応するかな。

少し緊張する。



でも

「無事ならいいよ、遅くまで大変だったな」

たい兄はものすごーーーーーーーーく普通の反応。



あぁ、私はたい兄にとって
本当にただの妹なんだ。

あの子は何?とか全然聞いてくれないし。



黙っちゃう私に

「どうしたの?」

心配してくるテンションも完全に兄妹のテンション。



たい兄の中での私のポジションを
突きつけられた。



「……なんでもない。ちょっと疲れてるだけ」



としか言えない。



色んな意味で疲れた。

もう。
たい兄のばか!
少しは妬いたり心配してくれてもいいじゃん。



手をギュッて握ると
たい兄は優しく返してくれる。



……こういう所が好き。

私がどんなにワガママな態度を取っても
優しいんだもん。



「実習の復習してから寝るね」

泣かないように必死だった。
明るく言うと

「マジか。夜食作ろうか?」

たい兄は夜食を作ってくれようとしてる。
心配かけた妹に対する態度じゃないよ、本当に。

「最近たい兄の作るご飯美味しくて太ったからいらない」

「えぇー…」

「でも一緒に起きてて」

「はーーい」

困った顔で笑うたい兄は
私が起きてる間起きててくれるし
私が寝そうになると

「ほら、A頑張れ」

応援してくれる。



復習が終わって

「疲れたーー」

テーブルに突っ伏してる私に

「ほら、シャワー行っといで。ここ片付けとくから」

飲み物やテキストを閉じてくれる。



シャワーから出てくるとドライヤーをかけてくれて
気持ちいいから私が寝ちゃうと

「ほら、布団行こう?」

私を立たせてベッドまで連れていく。



ベッドの前で離れたくないからたい兄にしがみつくと

「もー、仕方ないなー」

クスクス笑って一緒にベッドに入ってくれちゃう。



……たい兄のばか。

大好きすぎて、泣きそうだよ。

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shizu(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。最近更新頑張ってますのでまた読みに来てください。 (2021年2月6日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - shizuさんのお話、ほんとどれも大好きです。また更新楽しみにしてます♪ (2021年2月3日 22時) (レス) id: 08f03cdb41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年1月28日 12時

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