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シロツメクサ Ki 11 ページ34

北山さんに連れていかれたのは
オシャレなカフェだった。



入ると同時に

「いらっしゃ…え!ミツさん!?」

お店の女の子が挨拶をしかけて
ものすごく驚いた顔で北山さんを見てる。



「どーも」

「え!ミツさんが女の子連れてきた!いつも男の子ばっかなのに!!」

女の子が興奮してる。



…へー、北山さんはミツって呼ばれてるんだ。

下の名前なのかな。
ミツってことは『みつる』とか『みつお』とか?

そして店員の子が言う男の子ばっかの『ばっか』が気になった。



『ばっか』ってことは女の子も連れて来るんだ。



「ふふーっ、妬いてくれた?」

「全然」

「あははは!出た出た塩対応。…てことで2人ね。いつもんとこ行くねー」

「はーい!……渉ーっ!!事件事件ーっ!」



北山さんと親しげにやり取りした女の子は
大騒ぎしてキッチンに向かう。



「あはは、こっちねAさん」

エスコートしてくれる北山さんは

「……と、そっか。Aさんタバコ吸う?」

北山さんがいつも行くつもりだったであろう席に行きかけて立ち止まる。



どうやら喫煙席に行くつもりだったみたい。



私もタバコは吸える。

けど、吸いたい時はあまりなくて
お客様に合わせて吸うくらいで。



自分から吸う事は無かった。



「付き合いで吸うくらい。吸っても吸わなくても」

「そっか。じゃあ喫煙席でもいい?」

「うん」

頷くとまた歩き出す北山さん。



喫煙席はガラス張りで
他にお客さんも居ないから半個室みたいな状態。



「ここね、知り合いのお店なの」

「へー」

「奥にいる…あ、出てきた。あのヒョロメガネのイケメンの横尾さんってのがここの店長で俺の知り合い」



さっきの女の子とその横尾さんがこちらを見て
横尾さんは私と目が合うとペコリとお辞儀するから私も会釈する。



「あの女の子と横尾さん、本当は両思いなのにぜ〜んぜんくっつかないの。超めんどくさい」



カウンターで何やら会話してる2人は
確かにカップルみたいに仲が良さそう。

そしてその話をする北山さんはどこか寂しそうで。



「…もしかして北山さん」

つい心の声が口に出ちゃう。

「ん?」

北山さんが聞き返してくる。
口にしちゃったから誤魔化せない。



「あの子の事、好きなんですか?」



聞きながら心臓がバクバクと音を立てる。

この子が好きなら
この前家にいた子は?



「…よくわかんない」



可愛く肩を竦める北山さんは
多分彼女が好きになってるんだろうな。

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shizu(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。最近更新頑張ってますのでまた読みに来てください。 (2021年2月6日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - shizuさんのお話、ほんとどれも大好きです。また更新楽しみにしてます♪ (2021年2月3日 22時) (レス) id: 08f03cdb41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年1月28日 12時

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