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妹。F -side you- 51 ページ23

そしてつい最近。

どんどん内容が
酷くなっていく。



『今日もいい天気。空はこんなに青いのに昨日もたい兄に会えなかったから全然嬉しくない。』

『たい兄からもらったトースターでパン焼いたけど。たい兄居ないから前みたいに美味しくないよ。』

『明日たい兄に会いに行くよ。会えたらいいな。』

『ねぇ、たい兄。どこにいるの?こんな狭い日本なのになかなか会えないね。』

『たい兄と会おうとするのって、砂漠からダイヤモンド探すのと一緒なのかな。』



うわ、ひどいな。

我ながら寒気してきた。



そして最後に送ったのが

『たい兄へ 今日も行きます。会えたら「好き」って伝えます。』

だった。



………最悪だ。



読み終えたところで

「お待たせ」

戻ってきたたい兄は私をフワッと抱きしめる。



「どうだった?自分が送ったメール」

「この携帯、叩き割りたい」

「あははは、ダメだからね。これずっと取っておくから」



たい兄は私から携帯を取ると抱き締める。

ポカポカのたい兄の体温と
石鹸の匂いにドキドキする。



「たい兄っ、私まだお風呂入ってないから汚いよ」

「Aに汚いとこなんてないよ」

「やだっ、お風呂行くっ」



お風呂に行きたいって言ってるのに
たい兄は全然腕を解かなくて。



「…今日は大事なことをAに言う前に母さんと兄貴に言っちゃった」



たい兄はやっと腕を解くと
私をじっと見つめて

「A、結婚しよ」

優しく笑ってくれる。



夢みたいで、嬉しくて。



ちょっと前は
それこそこの携帯にメールを送ってる頃は
たい兄がこんなこと言ってくれる日が来るなんて
思わなかったから。



「………はい」



頷くとたい兄が笑ってくれて
フワッと重なる唇。




あぁもう、幸せ過ぎる。



たい兄がゆっくり押し倒してくる。

深くなるキスに息の仕方もよく分からない。



「幸せになろ」

「うん」



これからはずっと一緒にいようね。

でもその前に。



「たい兄、私お風呂行くっ」

「……えぇーー…」



ガッカリ、って顔でたい兄が私を見るけど。



私に甘いたい兄は

「お風呂上がりのパック、冷やしておく?」

一緒に住んでた時のスキンケアの準備してくれようとするけど。



お風呂から上がったら
そのままたい兄にさっきの続きしてもらうから
パックの出番は明日になると思うよ?



-END-

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shizu(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。最近更新頑張ってますのでまた読みに来てください。 (2021年2月6日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - shizuさんのお話、ほんとどれも大好きです。また更新楽しみにしてます♪ (2021年2月3日 22時) (レス) id: 08f03cdb41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年1月28日 12時

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