妹。F -side you- 42 ページ14
次の休み。
私はみつ兄の家にいた。
「………で?」
目の前には
呆れた顔のみつ兄。
「4年間甘えて、いやむしろ20年間甘えておいて、3年間勝手に避けて。今さら太輔になんの用事なわけ?」
みつ兄が今までにないくらい怒ってる。
みつ兄の言う通りだ。
言う通り過ぎて何も言えない。
たい兄の居場所をママに聞いても「みつもたいも『Aには言わないで』って言うから…」って申し訳なさそうに言う。
たい兄はメールも電話も返事をくれない。
連絡が取れない今、
たい兄と繋いでくれるのはみつ兄だけだ。
でも何でみつ兄がたい兄の連絡先教えるなって言うの?
いま私がたい兄に会う理由はまず
「謝りたくて…」
手紙に気づけなかったこと。
たい兄の気持ちも知らないで3年間勝手に避けてたことをとにかく謝りたい。
「は?今更だろーが」
食い気味にみつ兄が言う。
「Aは分かりやすいよ?あれだけ太輔太輔言ってたくせに太輔がいない時に実家や俺のとこ来るから」
「……はい」
「太輔も絶対Aがいないか確認してくるわけ。なんなん?って思うけど太輔は『嫌われただけ』しか言わねーし」
………たい兄、そんな風に言ってたんだ。
嫌いになんかなってないのに。
むしろ好き過ぎるのに。
これで分かった。
みつ兄はたい兄の事を思って
私に居場所を教えるなってママに言ったんだ。
「ということで、太輔が可哀想だから教えませんっ」
「えーー!!」
「『えー!』じゃない!!高校ん時に勝手に太輔と口聞かなくなった時もそーだけどAは自分勝手すぎだからな!!」
みつ兄に言われて言葉に詰まる。
そしてみつ兄はいつも
私とたい兄だったらたい兄を優先してたのを思い出す。
となるとみつ兄にも頼れない。
そしてママもみつ兄とたい兄に頼まれてるし
教えてくれないだろう。
…たい兄の会社の名前なら分かる。
「たい兄、会社は辞めてないよね」
「…あぁ」
「そっか」
ならやる事は1つ。
「今日は帰る」
「は?外泊じゃねーの?」
「うん。ご飯作ってあるから食べといて」
本当は外泊だけど
今はビジホや漫喫とかネットを使えるところに行きたい。
「駅まで送るよ」
「いい、早い時間だし1人で帰る」
泣きそうだし1人になりたい。
玄関に向かうと
「おい、待てって」
上裸なみつ兄は慌てて服を着だすけど
逃げるようにみつ兄の家を出た。
出た途端涙が止まらなくて
駅まで逃げるようにとにかく走った。
妹。F -side you- 43→←妹。F -side you- 41
396人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
shizu(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。最近更新頑張ってますのでまた読みに来てください。 (2021年2月6日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - shizuさんのお話、ほんとどれも大好きです。また更新楽しみにしてます♪ (2021年2月3日 22時) (レス) id: 08f03cdb41 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:shizu | 作成日時:2021年1月28日 12時