太陽の当たる場所 7

Mission of Love 23 ページ37

「…食べ過ぎた」

「だね」



昨日の続きをして
温泉に入って
充実したせいか
朝ごはんがものすごく美味しくて。

おかずもご飯も美味しかったから
お互いおかわりまでして。



「美味しかったから後悔はないけど」

私が言うと

「あははは！さすが食いしん坊！」

ニカが笑って。



ムッとしたけど
ニカと顔を合わせたら自然と笑い合う。

ものすごく楽しくて。



こんなに楽しくてこの後どうなっちゃうんだろう。

不安になるくらいだった。



おばあちゃんちは旅館から車で30分くらい。

私はいいけど

「ねぇ、ホントにうち来るの？」

ニカは一緒に来ても退屈じゃない？



「え、行くよ？」

「車貸すけど」

「行くってば」



ニカは「しつこいな」って顔で言う。



はいはい。
分かりました。

っていうのが顔に出てたんだろう。

今がちょうど信号待ちだったのもあって
ニカから鼻を摘まれる。



「痛いっ」

「悪いのは誰？」

「……昨日のぼせたニカ」

「あはは！えー！それいま関係なくない？」



文句を言う私にニカが笑っちゃって
私も笑っちゃう。



ニカが笑うとつられちゃう。



すごく幸せな時間。

とても楽しくてなんだかずっと笑っていた。



おばあちゃんちに着いて車を停めてると
車の音を聞いたからかおばあちゃんが玄関まで迎えに来てくれた。



「…A？」



おばあちゃんが私の顔を見た瞬間
ものすごく驚いた顔をした。

何でだろう。



よく分からないけど

「久しぶり」

声を掛けると

「うん、久しぶりだね。上がって？」

おばあちゃんは頷きながら
車からほぼ同じタイミングで降りてきたニカを見て

「お友達だよね、いらっしゃい」

優しく笑う。



さすがに『彼氏』って言うのは恥ずかしかったのと
ニカの立場的にどこでどうにか周りに伝わってしまった時の事を考えて
おばあちゃんには『友達』って言っておいたし
ニカにも事前にそれは伝えておいた。

ニカは彼氏じゃない事に少し不満そうだったけど「まぁ仕方ないよね」って納得してくれていた。



「二階堂高嗣って言います。はじめまして！」



ニカが人懐っこい笑顔でおばあちゃんにペコって頭を下げると
おばあちゃんはじーっとニカの顔を見る。



「名前に聞き覚えがあるんだけど…」

「え！めっちゃ嬉しい！たまーにテレビ出てますっ」

「…あ！舞祭組の子だね！！ハモるのが苦手な！」

「そうそう！おばあちゃん詳しい！」



2人が早速仲良くなっちゃって
ホッとする。

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