太陽の当たる場所 7

Mission of Love 19 ページ29

夕焼けを見て
ニカとキスをした後は
辺りが真っ暗になるまで
温泉に浸かる。



ただただくっついてるだけで
ものすごく幸せ。



ニカは優しい。

私があんな事があった後だから
私の気持ちの整理がつくまで傍に居てくれてるつもりなんだろう。

何も言わずに一緒に入っててくれてる。



でもさすがに…

「ニカ」

「んー？」

「のぼせない？大丈夫？」

私は長湯平気だけどニカはいいのかな。



「平気ー。温泉大好き」

言いながら私の肩に顎を乗せて「ふふふっ」て笑う。

「なんかこーゆーのいいね」

ニカは楽しそうに言ってさらに抱き締めてくれる。



ニカに包まれてるのが幸せで。

「いいね」

私もニカにもたれて返事をする。



まぁまぁ広い湯船なのに
ものすごく近くにいる私たち。

でも離れたくなくて。



あれだけ一緒に入るのを抵抗してたのに
結局一緒に入ってしかもこんなに至近距離とか。

やっぱり一緒に入って良かった。
ものすごく落ち着く。



「後でさー、ここでお酒も飲もうよ」

ニカが言う。



「うん」

「ずっとくっついてる約束だもんね」



チュッ、て音を立てて私の肩にキスを落としてくるニカは

「癒されるー…」

ため息混じりに呟いて深呼吸する。



それは私もだよ。
ニカの手に自分の手を重ねた。



私の肩に顔を当てたまま

「そろそろご飯かな」

なんてニカが上がる雰囲気を出したから

「かもね。出ようか」

ニカから離れようとしたら

「あーとすーこしー」

ニカが抱き締めてくる。



どうしよう。

幸せだ。



「………ニカ」

「ん？」

「私も、もっと一緒にいたい」



言うと、返事の代わりにニカが抱き締めてくれて。



「ごめんね」



ニカが謝ってくる。



何がだろう？

不思議に思ってると

「ずっと一緒に居てあげられないから」

ニカがまださっきの事を言うから。



「ニカのせいじゃ…」

「ううん、今後もさ。人がいるところで一緒に居る事が出来ないから」



ニカが本当に辛そうに言う。



でもそれは

「そんなの必要ないよ」

ニカに求めてないよ。



「私だってニカが居て欲しい時にそばに居られないじゃん」



ニカにそんな時があるのか分からないけど。

お互い様だよそんなの。



「Aは優しいね」

ニカがギュッて抱き締めてきて

「たまにめちゃくちゃ不安になる。愛想尽かされないかなって」

切なそうな声でニカと言うけど。



私こそずっとメソメソしてたら
ニカに嫌われそうで不安だよ。

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