太陽の当たる場所 7

Mission of Love 10 side 2 ページ12

明日はいよいよ旅行。
準備を終えてAとベッドに入ると

「復習ね」

Aと向き合う。



「サービスエリアでは…」

「車の乗り降りは時間差で別行動」

「何かあったら…」

「とにかく離れる」

「でも旅館では…」

「ずっと一緒」

「ん、おっけー」



俺が頷いても
Aはさっきからずっと不機嫌。

Aからしたらそうだろうね。
さっきから俺は面倒なことばっか言ってるし
名前で呼ぶの拒否してるし。



自分で自分が面倒な人間なのは
ものすごく自覚してる。

今回の事だって危ないのは自分でも分かってる。

むしろお互いの家の行き来もいい事じゃないんだし。



さすがに今回の旅行が原因でAの事がバレたら
もうAとは二度と会えないだろうし
俺の中でキスマイかAだったらキスマイを取るっていうのは決めてるから。

それを1度ちゃんと言おうと思った。



「あのね」

声を掛けると

「ん？」

俺の覚悟とは裏腹に
Aは不満そうに返事をする。



「もしも、今回だけじゃなくて、今後万が一Aとの事が撮られたりしたら。俺はキスマイが一番大事だからAとはもう会えなくなるの」

そう言うと

「………」

Aは真剣な顔をする。



「なら何で一緒にいるのかとか今回出掛けることにしたのかとかって聞かれると正直困るんだけど。例え会えなくなったとしても何年か経って『誰かと結婚していいよ』って言われたらきっと他に誰も思い浮かばないから迎えに来るから」


自分の気持ちをちゃんと伝えた。



すっごいワガママ言ってるのは自覚するから
Aの反応が気になるけど

「………」

Aは黙って俺の顔を見てて何も言わない。



「だからもし会えなくなったとしても迎えに来るまで待っててくれない？」



俺にはAしかいないと思う。

先の事なんてわかんないけど
自分以外の人の事で怒れて幸せになれて心配で楽しくて
ずっと一緒にいたいのはAだけだから。



Aはしばらく黙った後で

「すごい自信だね」

少し笑って言う。



「何が？」

「私が他の人に心変わりしてたらどうするの？それにきっと私と会わなくなったら他の人が好きになると思うよ？」



Aは言うけど。



「俺は他に好きな人は出来ないよ」



キッパリ言い切る。



そんな俺にAは今度は完全に笑って

「さすがジャイアンだね」

俺の手をギュッて握る。



「無事に行って帰ってこようね」



そう言うAの目は少し涙目だった。

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