太陽の当たる場所 7

Mission of Love 5 ページ1

「ただいまー」

映画を見終えて
そのままニカはうちにやって来た。

「おかえり」

夕飯を作ってる
私にニカが後ろから抱きついてくる。



「わっ」

「あー！めっちゃドキドキしたー！」



何だかニカは興奮してて。

「すごいよね！バレなかったし！手とか繋いじゃったし！」

何だかはしゃいでる。

「そうだね」

私は苦笑いしか出来なくて。



確かにドキドキした。

周りに人がいてニカに寄り添うとか。



でもいまの私はニカに思い切り抱きつけるから
ニカの腕を解いて正面から抱きついた。

「ん？」

ニカが驚いてるけど知らない。



「…どうしたの？」



ニカが優しく聞いてくる。



答えたくなかった。

一緒に映画見れて本当は嬉しかったとか
母と娘がテーマだから思い出しちゃった事があった事とか
その時にニカが隣にいるのがすごく嬉しかったとか。



ニカは何でも言ってって言うけど
これは私のデリケートな話だから。



「…たまには私からニカに甘えたくなったのっ」

ギューーーッて抱きつくと

「アハハハハ、痛い痛いっ！わかったから！」

ニカが笑う。



「じゃあ今日はずっとくっついてようか？」

「ううん、ずっとはいい」

「何それっ」



今度はニカが痛いくらい抱きしめてくれるから。

痛いけど
何だか嬉しいし幸せだなって思った。



「また出かけられたらいいよね」



少ししてニカが言う。



うん、って言いたい。

思った以上に楽しかったから。



でもヒヤヒヤしながら出かけるのも
ニカは大変だろう。

「でもまだうちで見るDVDたくさん残ってるよ？」

前にニカと見るために買ったDVDのシリーズが
半分も見終わってないから。

それを一緒に見るだけでも
私は幸せだ。



でも

「そーだね……って言うと思う？」

ニカは私の顔を自分に向ける。



「嘘つきにはお仕置きー」



ニカが息ができないくらい
ものすごい長いキスをしてくる。



クラクラしてきた時にやっと唇が離れて

「だてに彼氏してないんだけど」

ムスッとした顔でニカは言う。



「無理してる事くらい分かるんですけどー」



抱きしめたままニカが私を抱えてグルグル回る。



「ヤダっ！危ないっ！」

「お仕置だもん」



抵抗しても止めないニカは何周したのか
しばらくして床に足が着いた時には私もニカもヘロヘロで。



「何してんの！？」

「だって、素直じゃ、ないんだもん」



ニカは疲れて肩で息をしていて。



これじゃどっちのお仕置きか分からないよ。

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