SPARK 1 ページ9
その人との出会いは
夏の花火大会だった。
緑色のヨーヨーを釣ろうとして
失敗して
半泣きになった私にタダでくれた人だった。
次に会ったのは
それから1週間くらい後の朝の
マンションのゴミ捨て場だった。
「……あれ？」
私は仕事前で
「あ、仮面ライダーの彼女じゃん」
その人は上下甚平で休みなんだろうか。
ここに住んでるんだ。
「覚え方おかしくないですか？」
「おかしくないよ、君の彼氏見てこれ買ったんだもん」
「そもそも彼氏な訳じゃないんですけど」
「え？手を繋いでたのに？」
「……えぇまぁ」
でもキスをしたから何だか間が空いちゃう。
そんな私にその人は「フフッ」笑ってる。
エレベーターで戻ろうとすると
その人も一緒に乗ってきて操作盤の前に立つ。
「何階？」
聞いてくるから
「…一番上で」
答えると
「へー、あそこ人住んでたんだ」
ってその人は1つ下の階を押す。
「じゃ、また」
「はい」
なんて会話をしてから
ちょいちょい会うようになったと言うか。
きっと挨拶くらいは今までもしてたんだろうけど
顔を認識するようになったからよく会う気がしてきてるんだと思う。
次に会ったのは秋で。
「今度の土曜日ベランダでBBQするんで」
その人が言う。
「はあ」
「灰が飛んだり煙が行ったらごめんなさい」
「昼間なら仕事でいないし洗濯物も夜干すからいいです」
「え、夜の洗濯物とか平気なの？」
「洗濯スペースに網戸あるんで」
「はーすごいね」
「夏暑くて冬寒いですけど」
そう言われた事があったから
ニカとBBQする時も私も報告しといた。
「私も明後日BBQします」
「へー、そうなんだ」
「ご迷惑おかけしたらごめんなさい」
「明後日ね、それなら洗濯物外干さないよーにってカミさんに言っとくねー」
『カミさん』って事は結婚してるんだ、なんて思った。
そこからしばらく会わなくて。
次に会った時その人は髭がボーボーの仙人の手前みたくなっていた。
「どうしたんですか？」
「執筆活動が佳境でね」
「そうなんですね」
作家さんなんだ。
すごいな。
そしてさらに今日会った時は
こざっぱりしてスーツを着ていた。
「今から編集と打ち合わせなの」
「そうなんですね」
「そっちはピクニック？」
私の格好を見たその人は聞いてくる。
リュックサックにツナギを着てる私は
はたから見たらそう見えるだろうけど
「…ははは」
実は大掃除に行くんです。
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shizu(プロフ) - にんさん» ものすごく褒めていただきありがとうございます！好き同士ですが当面続きます(^^)よろしくお願いいたします！ (2020年10月11日 23時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - さしのんさん» ニカちゃんの別の話、実は思いついてるんで。another story完結したらまた書きたいと思ってます！…だいぶ先ですが 笑 (2020年10月11日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ぴろみんさん» ありがとうございます！簡単に伝わらないところは意識しました。自分でも通じて良かった、って思っちゃってます。 笑 (2020年10月11日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
にん(プロフ) - あー好きって伝え合うのもかわいくてニヤニヤしちゃいました。好き同士になっても続けてください。shizuさんのかくニカちゃんがかなり好きなニカちゃんです。更新ありがとうございます。 (2020年10月10日 10時) (レス) id: 0e665acd35 (このIDを非表示/違反報告)
さしのん - やっと言ってくれた！ もう微笑ましいです！ まだまだこの話続いて欲しいです！ ニカちゃんの他の作品も見てみたいです。。。 (2020年10月10日 8時) (レス) id: 5a00b85a4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2020年9月19日 17時
