太陽の当たる場所 5

SPARK 13 side 2 ページ34

明日は
スポンサーの新年会に
お呼ばれしてて。

余興で歌って踊るのに
前日リハで間違えまくった。



「二階堂集中しろ」

「いてっ」



ガヤさんのマネージャー武田ちゃんに
ノートを丸めたやつでパコッて叩かれる。



「ごめんなさい、明日までにはちゃんとする」

「当然だバカ」



ため息混じりに武田ちゃんが怒って
部屋を出る。



…あーもう。

練習しよ。



うちに帰ってAちゃんちに電話して
バルコニーを借りる約束をする。

小一時間踊って中に戻ると
テレビが消えててAちゃんがもういない。



「…あれ？」

まだ23時前なのに。



でも辺りを見るとAちゃんの仕事の荷物が置いてあって
テーブルの上に紙とおにぎりがある。



『ニカへ
明日早いのでもう寝ます
おにぎり良かったら食べてね』



小さめの一口サイズがいくつかあって
ちょっとだけ食べたい時にちょうどいい感じ。

さすがすぎる。



シャワーを浴びて作ってくれたおむすびを1つ食べる。



………めちゃくちゃ美味しい。



早くAちゃんがいるベッドに行きたいから
体を冷ますためにしばらくシャツを着ないでいたら
テレビに夢中になっちゃう。

寒くなってから気づいて慌ててシャツを着た。



それでもどうにも寒いしテレビも終わったし
これは早くベッド行こうって決めて歯を磨いてベッドに向かう。



ベッドに行くと
Aちゃんが俺の枕に寄り添って寝てる。



なにこれ。
俺がいなくて寂しい感じ？

だとしたら可愛いんですけど。



ベッドに入るとAちゃんがいるから温かくて。

今日は俺の方が手が冷たいから
Aちゃんの手を握ると

「…んっ」

Aちゃんがピクッて動く。



ヤバ、起こした？

「…ごめんね」

小声で謝るけどAちゃんはそのまま寝てて。
ホッとして俺も目を閉じた。



でも次に起きたら
Aちゃんが起きてて。

外は真っ暗だから
また起きてるAちゃんが不思議で。



そして、やっぱり寒くて。

Aちゃんを抱き締めて眠る。



pipipipipi…

めざましの音がしてAちゃんが動く。



「…はよ」



声を掛けるとAちゃんが俺を見ておでこに手を当てる。



「ニカ、熱ない？」



ドキッとした。

寒気もするし少し喉が痛い。



例えそうだとしても仕事に穴を開けられないし。



「寝起きだからだよ」

「そう？」

「うん」



ちゅっ、ておでこにキスして誤魔化したけど。




正直
ものすごく嫌な予感がしてる。

SPARK 14→←SPARK 13

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す