太陽の当たる場所 5

JUST FOR YOU 18 ページ3

どのくらい
キスしてたんだろう。

舌を絡めては一度唇を離して息を吸って
また角度を変えて唇を重ねて舌を絡めるキスを
何度も繰り返す。



気持ちいいのが
本当に嫌だ。



ニカのキスが本当に好き。

ずっとずっとしていたい。



もうキスできないと思ってた。
むしろしちゃダメって。

でもまたニカとキス出来て。

涙が零れた。



「泣き虫っ」



キスの合間にニカが言う。



うん、泣き虫だよ。
ニカといると泣いちゃうよ。

でも離れてても泣いちゃうよ。
どうしたらいいの？



ポロポロ泣き出す私に

「何がそんなに不安？」

ニカが聞いてくる。



正直に言ったらニカは困るかもしれない。
でももう1人で消化出来ない。

何が正解か分からないから言ってみた。



「ニカがいない未来」



怖い。

ニカがなんて言うか分からないから。



きっとニカは「ずっと居るのは無理だよ」って言うだろう。

怖いけど言ってもらった方が楽になれるかも、
って思えてきた。



ニカの方を見れない。
ギュッて自分の手を握りしめる。



「なんだ、そんな事？」

ニカは呆れた声。



え？
『そんな事』なの？



ニカを見上げると
ニカは優しい顔で笑ってて

「別に一緒にいればいいじゃん」

って私の涙をまた拭う。



「だって、ニカには他に女の子いるんじゃないの？」

「は？いないし」



食い気味にニカは答える。



そして

「そもそもそーゆー子がいるならAちゃんに鍵渡さなくない？鉢合わせとか泥沼じゃん」

いかにもニカらしい甘い言い方をしないどこか冷める言い方をするニカに
やっぱりニカはニカだな、って思う。



じゃあ友達なのにこんなキスするし
こんな距離で話すんだね。

ならいいのかな。



「そんな事気にしてたの？」



ほらまた言った。
『そんな事』って言葉。



「私には重大なの」

「……ふぅーん、そうなの？」

「嫌じゃない？こんな事する子が他にいたら私の事邪魔でしょ？」



こんな気持ちいいキス
独り占めしたいはずだけど。



「だから、いないから」

ニカは若干イラッとした顔で言う。



これ以上言うといよいよ怒るのが
今までの経験で分かるから

「……うん、わかった」

ちゃんと頷く。



「じゃあ、とりあえずクリスマスしよ」

ってポケットから何かを取り出す。



「はいこれお土産」

「お土産？」



目の前にはたこ焼きを被った
ドラえもんのキーホルダー。



その先にはニカの家の鍵がついていた。

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