太陽の当たる場所 5

SPARK 6 side 2 ページ20

Aちゃんは
家族の写真は気にしてないって言うし
言い方やAちゃんの言葉に嘘は見当たらない。

でもホントかな。



「じゃあこっち向いて？」



俺の方を向いてもらうとAちゃんは
結局こっち向かせた事をめっちゃ不満そうな顔をしてる。

だから家族写真気にしないのは
ホントだな、って分かった。



でもそうすると今度は
Aちゃんとあの男の関係がまた気になる。




『あの男、Aちゃんの何？』って聞こう。



「あ…」



言いかけて、ふと止まる。



それを聞いてどうするの？

Aちゃんは一生1人でいるって言ってたけど
会ってない間に
気が変わったかもしれない。



Aちゃんが幸せになる権利を
邪魔する資格ある？



だから

「…けましておめでとう」

誤魔化す。



Aちゃんは不思議そうな顔をする。

そりゃそーだよね。



「さっき聞いたよ」

「うん。でももう1回」



結局お互い新年の挨拶をする。

寝るのに手を繋ぎたくて手を出したら
Aちゃんも重ねてくれて。

ギュッて握ると気持ちもギュッてなる。



ああ、好きだ。

Aちゃんが大好きだ。



俺に応えてくれて

「…ありがと」

チュッてキスをすると。



Aちゃんが『足りない』って顔してる。



何なのもう。

俺の気も知らないで。



「Aちゃんのせいだよ？」



だから最近する気持ちいいキスをした。

あんまりしたら
その先をしたくなっちゃうからいつもより短めに。



それだけでトロンてするAちゃん。
そしてその唇がどっちの唾液かわかんないけど濡れちゃって色っぽい。



そのぷっくりした唇を指で拭って

「…おやすみ」

声をかけたら

「こんなキスしたら寝れないよ」

口調は怒ってるけど全然怖くない。
しかもこんな可愛い事言って怒ったところで
めっちゃ可愛いんだけど。



「大丈夫、Aちゃんは眠くなるから」



半分寝そうになってるし。

知ってる？
Aちゃん手を繋ぐと
たいてい先に寝ちゃうんだよ？



おでこにキスをしてAちゃんの手を握ってると
すぐに規則正しい寝息に変わる。



ほら、すぐ寝るじゃん。



どこにも行かないで
ずっと俺とココにいてよ。



Aちゃんの職場の先輩より
俺よりAちゃんを知るさっきの謎の男の人は
俺の心を掻き乱した。



Aちゃんの気が変わったらどうしよう？

俺以外と友達になりたいとか
それ以上になりたいって思われたらどうしよう？



不安で堪らない。

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