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Air 3 ページ41

「あー笑った」

「ね」

秋になってだいぶ外も涼しくなって
エアコン無しでも過ごせるようになる頃。

ようやくニカとハマってる大人買いしたDVDも折り返し地点。
でもまだあと何ヶ月かは楽しめそう。



「そろそろ寝ないと」

「うん」

「歯、磨こ」



寝る支度をして寝室に行くと
自分のベッドの前で止まったニカは

「…いいの?」

私をジッと見て聞いてくる。

「うん」

そんなニカを無視してベッドに入ると
ニカはため息をつく。



「まぁ今日は笑ったからすぐ寝れそうたけど」

「だからそんなに寝にくいならおうちで寝なよ」

「違うよ、Aちゃんと寝たいの」



最近のニカは遠慮がない。
普通に一緒に寝ようって言ってくるようになる。



「狭くてもいいから一緒に寝ない?」

「寝ない」

「えーっ、前まで寝てくれたじゃん」

「勝手に入ってきてただけでしょ」

「あははは、確かに」



笑ってるニカは結局自分のベッドに横になると

「そろそろ俺が恋しくなる頃だと思うんだけどなー」

って私の方を向きながら言う。



ニカが恋しくなる?

「しょっちゅう会ってるのに?」

何を言ってるんだろう。



でもニカは

「ほら、この距離感。寂しいでしょ?」

自分の寝てる場所と私の距離を手で示すけど。

「…………」

なんだか黙っちゃう。



確かに最近スキンシップが減った。

でもこれが当たり前だし
ベタベタするのが元々そんなに好きじゃないからニカが近くにいるだけで十分なんだけど。



…って
ニカが近くにってそれもおかしな話か。



黙って考え込む私に

「え、実は俺がいなくても寂しくない?」

なんて捨て犬みたいな悲しそうな顔をしてニカが私の顔を覗き込む。



何でそう極端かな。



「このくらいの距離感で大丈夫」

「じゃあここに俺がいるのは問題ない?」

ニカはさらに心配そうに私を見るから

「うん」

むしろニカと過ごすのは
本当に楽しい。

頷くと

「……良かったぁ」

ニカはものすごく嬉しそうに笑う。



大げさだなー。



「そもそも嫌ならもっと帰れって言ってるよ」

「あははは、ひでー」



楽しそうに笑うニカは
起き上がってのびをすると

「トイレ行ってくるー」

って部屋を出ていった。



その背中を見送って
さすがにもう寝よう、って布団を整えてたら
ニカが戻ってきた。

早いな。



「………Aちゃん」

見た事ないくらい深刻な顔をして

「助けて…」

聞き取れないくらい小さい声のニカは
声が震えていた。

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shizu(プロフ) - はるるさん» ありがとうございます!はるるさんも熱中症には気をつけてくださいね! (2020年8月18日 0時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
はるる(プロフ) - shizuさん» 楽しみにしてます!まだまだ暑さが続くようですので、健康にはお気をつけください。 (2020年8月16日 7時) (レス) id: 385ecda6e8 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - はるるさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてものすごく嬉しいです(〃▽〃)少しずつですが更新していきますのでまた是非読みに来て下さい! (2020年8月15日 10時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
はるる(プロフ) - shizuさんの作品、ほぼ全部見てます。大好きです。これからも応援してます。 (2020年8月14日 10時) (レス) id: 385ecda6e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2020年7月18日 15時

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