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Fake。11 side 2 ページ22

夢の中で
Aちゃんが声を掛けてくれてる。

頭を撫でてくれて気持ち良かったけど
もう一方で頭がズキズキして。



偏頭痛の事を話すと

「ごめん、頭撫でちゃったの嫌だったよね」

って言うと少ししてベッドを出ようとする気配があったから

『行かないで』

そう言いたいのに声が出なくて。



無意識にAちゃんの手を握った。



頭が痛くなった時にギュッてAちゃんの手を握ると落ち着いて。



あぁ、気持ちいいな。

思ってたら



…pipipipipi




目覚ましの音がする。




もう朝か。

目を開けると目の前にAちゃんの手を握り締めてる俺の手が視界に入る。



………あれ?



そして

「んーー…」

Aちゃんの唸り声。



やがて止む目覚ましの音。

うずくまってた顔を上げるとAちゃんが目覚まし時計を止めている。



俺が顔を上げたのに気づいたAちゃんは俺を見下ろして

「おはよ」

俺と手を繋いでる手と逆の手で目を擦る。



「どう?具合は」



ものすごく寝起きの顔と声のAちゃん。

緩すぎてこんな顔や声を人に見せちゃって大丈夫?って心配になると同時に
こんな顔と声って『ここ』に居ないと見れないよな、なんて思う。



ただそもそも何の事だろう?

「具合?」

「偏頭痛。頭、痛いんでしょ?」

心配そうに俺を見るAちゃんは
俺と手を繋いでる手を緩く握る。



…夢じゃないんだ。

寝ぼけてたか頭がすごく痛かったから朦朧としてたのか。



「んー、いまは痛いっていうか頭が重い」

「大丈夫?ギリギリまで寝てる?」

「……そうしようかな」



朝ごはん食べたいけどそれよりしんどいし。

「わかった、じゃあ先に起きるね」

そっとAちゃんの手が離れる。



それが寂しくて目で追っちゃって
昨日脱衣場でAちゃんが俺の手を目で追ったのってコレだったのかな、って気づく。



Aちゃんがそんな俺の態度に気づいたのか

「…私もまだ眠いや」

俺の手をまた握った。



「朝ごはん軽くすればいいし」

Aちゃんが言うけど

「ダメだよちゃんとご飯食べないと」

言い返しつつAちゃんの手をギュッて握ると
Aちゃんはそんな俺に何も言わず手を握り返した。

頭は重いままだけど心は軽くなった気がして目を閉じると
そのまま寝ちゃう。



次に気づいた時にはAちゃんはもう起きてて

「これ、ニカ用のおむすび」

移動で食べれるように用意してくれてた。



…ホント、優し過ぎだよ。

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shizu(プロフ) - はるるさん» ありがとうございます!はるるさんも熱中症には気をつけてくださいね! (2020年8月18日 0時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
はるる(プロフ) - shizuさん» 楽しみにしてます!まだまだ暑さが続くようですので、健康にはお気をつけください。 (2020年8月16日 7時) (レス) id: 385ecda6e8 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - はるるさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてものすごく嬉しいです(〃▽〃)少しずつですが更新していきますのでまた是非読みに来て下さい! (2020年8月15日 10時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
はるる(プロフ) - shizuさんの作品、ほぼ全部見てます。大好きです。これからも応援してます。 (2020年8月14日 10時) (レス) id: 385ecda6e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2020年7月18日 15時

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