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Fake。10 side 2 ページ20

干したての
ふかふかのベッドに横になる。



さっき抱きしめたから
何だかもっとくっついていたくて。

Aちゃんのベッドまで行って
隣に横になった。



「干したての布団はいいねー」

始めてのAちゃんのベッド。
2人で寝るには少し狭いけど。



「ちょっとニカ?」

Aちゃんが不満そうだけど

「いいじゃん、寝よ?」

頭をポンポンってして勝手に目を閉じた。



あんまり嫌がったら戻るか。

しばらく目を閉じたままで居てみる。



「………」



Aちゃんも何も言わない。



そっと目を開けてみたらAちゃんが俺を見てる。



「どしたの?」

「……」



聞いてみても何も答えない。



でも少しして

「何でだろ」

ポツリとAちゃんが呟く。



「何が?」

「こんなに近くにいるのに、ニカだと嫌じゃない」



Aちゃんが俺の顔に手を伸ばす。



頬にAちゃんの手が触れる。



「……ほら、ニカだと全然嫌じゃない」



そのまま俺の輪郭を確かめるようにAちゃんの手が触れる。



それって誰と比べて?なんて聞かなくても
Aちゃんの先輩であるアイツの顔が浮かぶ。



「…何でだろ」

Aちゃんがまた呟いて少し切ない顔。



そんな顔しないでよ。



「ならいいじゃん。俺といれば」



少しでも空気を変えたくて言うけど
Aちゃんは目を潤ませてて。

むしろトドメの一言だったって言ってから気づく。



ダメって。

そんな顔されたら抑えらんなくなるよ。



多分これ以上言ったら
今度は俺たちの関係がおかしくなる。



どうしよう。



困ってたらAちゃんが俺の頬をムニッと摘む。

「いたたたたた」

大袈裟に痛がってみると

「あ、結構伸びるね」

Aちゃんがのんきに言う。



「辞めてよ、俺一応アイドルで顔が資本なんだけど」

「いいじゃん、顔のマッサージだよ」

「いやいや、こんなマッサージ受けたことないから」

「え?そう?これ最新のマッサージだから」



Aちゃんが俺の顔をぐりぐりいじってきて

「あはは、変な顔」

ついに笑い出したから

「もー!何すんのっ」

俺もAちゃんの顔に手を伸ばしてやり返す。



「やだやめてっ」

「マッサージならAちゃんもやった方がいいって」

「私はいいっ」

「良くないっ」

じゃれあっていつもの雰囲気に戻って
結局そのまま同じベッドでただ向かい合って寝たけど。



あのままの空気ままだったら
俺たちどうなってたんだろう?

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shizu(プロフ) - はるるさん» ありがとうございます!はるるさんも熱中症には気をつけてくださいね! (2020年8月18日 0時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
はるる(プロフ) - shizuさん» 楽しみにしてます!まだまだ暑さが続くようですので、健康にはお気をつけください。 (2020年8月16日 7時) (レス) id: 385ecda6e8 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - はるるさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてものすごく嬉しいです(〃▽〃)少しずつですが更新していきますのでまた是非読みに来て下さい! (2020年8月15日 10時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
はるる(プロフ) - shizuさんの作品、ほぼ全部見てます。大好きです。これからも応援してます。 (2020年8月14日 10時) (レス) id: 385ecda6e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2020年7月18日 15時

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