太陽の当たる場所 3

Fake。9 ページ17

お風呂に浸かってる間
ニカとのんびり話してた。



ニカから色々話してくれたんだけど
ただ気になったのが

「今日ね、ミツをサプライズパーティに連れてったの」

ってニカが嬉しそうに話し出したこと。



「サプライズパーティ？」

「うん。明日ミツの誕生日でね。事前に予定ないのを確認しといてナイショでパーティ連れてって驚かせたんだー。何度も今日暇かどうか確認してさぁー…」

ってニカはマネージャーさんや千賀くんと
北山さんを騙してパーティに連れていった話を楽しそうに話してくれたけど。



北山さん、今日は気になる人と過ごすって言ってたよね。

大丈夫なのかな。



でもニカがその事を知ってるか分からなかったから
聞き流した。



お風呂にのんびり浸かって
体を仰け反らせて頭をお湯につけたらものすごく気持ち良くて

「…これいいね」

呟くと

「でしょー？」

ニカの声が弾んでる。



「これ俺のリフレッシュ法」

「へぇー」

「いつもはAちゃんには助けてもらってるから」



少し照れた感じで優しい声のニカ。

声のトーンがものすごく落ち着く。



「あ、飲み物とか大丈夫？」

「…欲しいかも」

確かに汗かいてきたし。




「麦茶でいい？」

そう言うとニカは私の返事も聞かずに脱衣場を出て
戻ってきたと思ったら少しだけバスルームのドアを開ける。

「はい」

コップを持った手だけバスルームに入れて

「目はつぶってるから大丈夫」

って声がお風呂場に背中を向けてる感じで聞こえる。



至れり尽くせりだな。



一度湯船から出て

「…ありがとう」

ニカからコップを受け取って麦茶を飲む。



コップを返してまた湯船に浸かると

「贅沢でしょ？このバスボムあと2つ持ってきたからまた使って」

ニカが話し掛けてくれる。



「1人で使う時は喉乾いたり話したい時はどうしたらいいの？」

冗談のつもりで言ってみたら

「んーー…飲み物は事前に用意して、話し相手は俺が居ない時は電話ちょーだい？」

ってニカが真剣に返してくる。



ニカの優しさが嬉しくて。

私のテンションが明らかに下がってるのに気づいてるのに『どうしたの？』って聞いてこない。

ただ癒そうとだけしてくれて。
そばに居てくれて。



ものすごく嬉しくて
何だか泣きそうになった。



田原先輩がどう行動したとしても
私は田原先輩とよりニカと過ごす方が楽しい。

もし仕事場で雰囲気悪くなったら
それはその時考えよう。



そう思えるようになる。

Fake。9 side 2→←Fake。8 side 2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す