太陽の当たる場所 3

Fake。6 side 2 ページ12

今日はAちゃんとのご飯の前に
ミツのサプライズ誕生会にミツを送り届けるミッションがある。

ミツに予定無いって分かってるけど
なんとかミツを会場に連れ出す方法をずっと探ってる。



小林ちゃんには事前に相談をしてた。
そしたらなんと小林ちゃんから

「今日の帰り北山さんを送る事になりました！」

なんてファインプレー。



後は会場に連れてくだけ。
仕事終わりにミツんとこに行くと

「今日さー俺たちと一緒に帰るでしょ？」

「おー、そうAから連絡来てた」

なんて興味無さそうにスマホ見たまま答えるミツ。



「先に降りるの俺と千賀でもいい？」

「ん、いいぞー。俺ヒマだし」

ミツが笑って答えてくれて
この後が暇なのも最後に改めて確認取れる。



ソッコーで千賀のとこに行くと

「よし順調」

ミツとの会話が聞こえてた千賀は小さくガッツポーズ。



「後は車で静かにしてたらミツ寝るよね」

俺が言うと

「アイマスクと手を縛るタオルも持ってきた」

カバンからチラッと千賀が見せてくれる。



そこまでする？
準備すごくない？



「うしっ、そーとなったらとっとと行こ」

「んっ」



千賀と2人でミツをサプライズ誕生会の会場に連れていく。

いい感じに寝入ってるミツにアイマスクをそっとつけて手を縛る。
起こそうとしたら先にミツが起きちゃって

「は！？何！？」

ミツがパニックになる。

「はい、立って歩いてー」

そんなミツを千賀と挟んで歩いて会場まで連れてってドアを開けるとみんながクラッカーを準備してる。



ミツの手を固定してたタオルを外したその瞬間
おしりのポッケに入れてたスマホが震えた。



けどひとまず主催者の合図を見てると
Goサインが出たからミツの手を離す。



次の瞬間

「ハッピーバースデー！！」

沢山のクラッカーの音と驚いた顔のミツ。



そんなミツを横目にスマホを見ると

Aお店に会社の先輩が居て
少しだけカウンターにいるね

なんてLINEが来てる。



会社の先輩ってAちゃんを狙ってるアイツか！？

ヤバい！
これ急がなきゃ！



千賀と会場を後にして
急いで大将のお店に行くと案の定

「俺と付き合ってくれないかな」

そいつがAちゃんに言ってる。



Aちゃんが断っても

「本気なんだ。仕事に一生懸命でストイックで、気配りも出来て。そんなAが大好きなんだ」

そいつがAちゃんの手を握ってる。



最悪だ！

マジで、最悪だっ！！

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