太陽の当たる場所 3

Air 1 ページ37

「たっだいまー！」

八丈島から帰ってきて
そのままうちにやって来たニカ。



飛行機が席は離れてたけど一緒で。

空港も別行動だったけど
預け荷物が隣同士で出てきて取るタイミングで

「後でね」

って言われて。



え？
来るの？

と思ってはいたけど。



ニカはシャワーを浴びてパンツ一枚で

「道具洗ったらまたシャワー借りるねっ」

ってまた私の返事聞かずにバルコニーに向かう。



自由だな。



先に帰ってる私は
既に洗い終わってシャワーもさらに浴びた後。

そろそろ夕飯だなと思って
一応ニカとふたり分の夕飯を作った。



「あー涼しっ！」

ニカはバルコニーからリビングに賑やかに戻ってきてキッチンにやってきて

「ね、ね、俺の分の夕飯もある？」

フライパンを振ってる私の後ろから中身を覗き込んでくる。



「焼きそばでいいなら」

ニカを振り返えらずに火を止めると

「やったー！」

火が消えたのを確認してから
ニカが抱きついてくる。



……うわっ。

顔が赤くなるのを感じる。



「ちょっとニカ！汗かいたままでしょ！？」

「あはは、だって嬉しいんだもーん」



甘えるようにギュッてさらに抱きつくニカは

「シャワー浴びるから食べるの待ってて」

私から離れて言うとシャワーに向かって
残された私はその場に座り込みそうになる。



なんなの？

昨日のキスから
ニカがおかしい気がする。

今まで以上にスキンシップが増えてる。



困ってたらシャワーを終えたニカが

「はいっ！」

ビールをケースで持って現れる。



「…何これ？」

「ん？いつもご飯ご馳走になってるからお礼のビール」



言いながらケースを開けると冷蔵庫に数本入れて

「あとね、コレ」

って麦茶のパックやいつも2人で食べるお菓子やおつまみが入った袋をくれる。



「ご飯作ってくれてるから飲み物は俺が用意するね。あと大将のお店もこれからは俺が出すから」

「え、でもそれこそ割り勘…」

「その代わりここでご飯食べさせてもらうから」



ニッて笑うニカは冷蔵庫に既に入ってた冷えたビールを取り出すと

「大将のお店。来週くらいに早速行こうね！」

って予定を立て出す。



ご飯代を気にしたニカなりの行動なんだろう。

確かにニカに現金出されても受け取りにくいし。
ニカの基準で現金化されるのも何か違うし。

ビールは地味に高いから一番嬉しいかも。



「ありがとう」

「ううん、こっちこそいつもありがと」



ニカに笑顔を向けられて
ホッコリする。

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