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Fake。14 side 2 ページ28

今まで俺の方に
背中を向けて寝たことなんて
無かったのに。

これは相当怒らせてる。



そりゃ怒るわ。

Aちゃんが何を作ろうと勝手だし。



ただ職場でお昼はご飯が出るって言ってるのに
あの量は絶対2日じゃ食べられないでしょ!



複雑な気持ちでAちゃんを見る。

背中を向けて小さくなってるAちゃんは
完全に俺に怒ってるんだろうけど。



俺だって怒ってるからね?
勝手なことして。



でも

俺のためにしてくれた。
そんなAちゃんが
愛しくてたまらない。



「Aちゃん」



声をかけて後ろから抱き締めた。

「ごめん。気にかけてくれてたんだね」

緩く抱き締めるとピクッてAちゃんが動いた。



でも

「………」

Aちゃんは何も言わない。



まだ怒ってるの?
だって

「それにしても無計画過ぎだからね?」

あの量どうするつもりだったの?
ホントに。

「しかも俺頼んでないし。『頭痛持ちだからそーゆーご飯作ってー』なんて……」



言いかけて気づく。
それなのに作ってくれてたんだよね。

ただの友達に。

しかも別に俺が頭痛持ちでもなんでもAちゃんには関係ないのにね。
こういうとこがAちゃんらしい。

俺が友達でいたいな、って思った
Aちゃんの好きなとこ。



だから嬉しくてAちゃんをまた抱き締めた。

「…でもめちゃくちゃ嬉しかった。ありがと」

ギュッて抱き締めると
Aちゃんの柔らかい抱き心地が堪らなくて。



このままだともっと…



………ダメだから。

俺とAちゃんはこうじゃないから。



言い聞かせてこれ以上変な気持ちにならないように
最後に抱き締めて腕を解いた。



たけど離れたくはなくて。

くっついてるうちに
今日は1日はしゃいでたから眠くなってきて。



Aちゃんにくっついたまま寝ちゃった。



自分のスマホの音に目が覚めて
目を開けると
Aちゃんがこっちを向いて寝てた。



Aちゃんに寝相悪いイメージないから
多分俺が寝た後でこっち向いてくれたってことだ。



許してくれるの?

もう怒ってないの?



「Aちゃん?」



小さく声を掛けてみたけど返事は無くて。




寝顔をしばらく眺めて
満足したところでそっとベッドを出た。



冷蔵庫にパンパンになってるタッパーたちを
そこら辺にあったスーパーの手提げに入れて
置き手紙をして帰る。



あー、休み取れて
Aちゃんと海潜れたらいいのになー。

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shizu(プロフ) - はるるさん» ありがとうございます!はるるさんも熱中症には気をつけてくださいね! (2020年8月18日 0時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
はるる(プロフ) - shizuさん» 楽しみにしてます!まだまだ暑さが続くようですので、健康にはお気をつけください。 (2020年8月16日 7時) (レス) id: 385ecda6e8 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - はるるさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてものすごく嬉しいです(〃▽〃)少しずつですが更新していきますのでまた是非読みに来て下さい! (2020年8月15日 10時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
はるる(プロフ) - shizuさんの作品、ほぼ全部見てます。大好きです。これからも応援してます。 (2020年8月14日 10時) (レス) id: 385ecda6e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2020年7月18日 15時

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