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愛をこめて1 T ページ50

むむむーっ。

ムスッとしちゃう。
そんな俺に

「ダメ?」

Aは困った顔をする。



Aから助っ人バンドのツアーに同行して
泊まりで出かけるって聞いて
どーにもムスッとしちゃう。



「…ダメじゃないよ、仕事だもんね」

口では言うんだけど

「そんな顔して?」

やっぱり顔に出ちゃってAが悲しい顔をする。



「だってAのバンド、A以外男の人なんだもん」

「そこは皆さん売れっ子俳優さんたちだし、結婚してる人もいるから心配ないでしょ。女性のスタイリストさんやマネージャーさんもいるから」



Aはそう言うけどね?

売れっ子だからこそ
みんな地方でハメはずしたくなるんじゃないの?



「…んー…」

「私は日帰り出来るところは皆が泊まっても帰ってくるの」



分かってる。
仕事だって。

Aもホントはあんまり行きたくないってことも。



だけど黙っちゃうと

「行ってくるからね?」

Aが笑って抱きついてくる。



「……何?」

この流れで笑って抱きつくとか何なの?

ムッとしちゃうけど
Aの顔を覗き込むとニヤニヤしてて。



「ヤキモチ妬いてくれてるの、嬉しい」



ユルユルの顔で俺を見上げるから
妬いてるこっちが恥ずかしくなって。

多分いま耳まで赤い。



「もぉー、妬くに決まってるじゃんっ」

「なんで?妬く必要ないでしょ」

「それはっ……」



千ちゃんのことがあるから。

言葉を飲みこむ。
さすがに俺から言ったらおかしいし。



「私は裕太の方が心配」

少しむくれて言うAが

「裕太カッコイイもん」

ギュッて抱きつきながら何だか不安そうで。



「俺、人見知りだから仲良い人出来ないもん」

「私もだよ?」

「Aは千ちゃんと連絡先交換してるじゃん」

「……」



Aがそこで黙るから

「A?」

何かあるのかと思ったら

「………ふふふっ」

Aが笑いだす。



「裕太が心配するような事ないから大丈夫だよ」

またギュッて苦しいくらいしがみついて

「千賀さんこそ大丈夫でしょ」

何も知らないAは呑気に言うけど。



千ちゃんこそ心配なんですけどっ。

…なんてAに言えないのがしんどい。



「お互いツアー始まる前にパスタ食べに行こうか」

「うん!美咲さんのところでしょ?」

「そう。そろそろいちごのスイーツ出るんだよね」

「え!!食べたいっ」



嬉しそうなAの笑顔に
こっちまで嬉しくなる。






………けど、やっぱり心配っ!!

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りさ - shizuさん» わかりました(*^-^*) (2021年3月4日 3時) (レス) id: d9bbc47835 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - りささん» お待たせしました。続編に進みました! (2021年3月3日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続編楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月21日 1時) (レス) id: 4e892c9c3e (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年2月19日 1時) (レス) id: 983b81c132 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月11日 1時) (レス) id: 7618a5cf86 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2020年5月3日 13時

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