拾ってください。4 (ページ48)

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そのままの君でいて 24 T ページ48

千ちゃんは
Aとの電話を終えてから
ものすごくご機嫌で。

バラエティも
ニカと千ちゃんで盛り上がってる。

それに適度につっこんで
撮れ高バッチリだった。

「「「ありがとうございました！」」」

3人でお礼を言って楽屋に戻ると

「酒井ちゃん！今週ピアノ出来る時間あるっ？」

千ちゃんはご機嫌な様子で酒井ちゃんに聞く。

「来週じゃなくてですか？」

「うん！早くtamaちゃんに会ってちゃんとレッスン受けたい！！」

ニコニコ言う千ちゃんの様子や
言い方から分かる。

これはAに惚れたな、って。

そしてバラエティもうまくいったから
自信がついてソッコーAに会いたくなったんだろう。

「わかりやすー」

ニカも思ったのか呟く。

「無理ですね、時間ありません」

「えー！！」

「こうなった原因は何ですか？反省してください」

冷静に言う酒井ちゃんに千賀がむくれる。

「そんな顔したってダメです」

「……ケチ」

「もう一度言いますがそもそも悪いのは誰ですか？」

「…………はぁい」

最近は酒井ちゃんが少し優しいガヤマネの武田ちゃんみたいにになってきて
だいぶ厳しくなってきてる。

酒井ちゃんもっと言えー、って思ってると
スマホが震える。

Aからだった。

A千賀さんと和解出来たー!
裕太のおかげで連絡出来たよ。
ありがとう!

何も知らないAは嬉しい、のスタンプと共に
Aは人の気も知らないで
無邪気にお礼を言ってる。

その無邪気な感じに
千ちゃんがハマっちゃってんだよ。

ムッとしたから
『このおばかさん』って送ろうとしたら

A裕太、大好き

なんて届いちゃったら
とてもじゃないけど送れない。

Aのばかっ。

でも結局Aはただただ一生懸命なだけで
裏表がない。

Aにはずっとそのままでいてほしい。

そのために、俺がそばにいて
Aのことを見守っていきたい。

だから

裕太俺も大好き
これからもずっと一緒にいようね

送ってスマホをしまう。

目の前ではまだ千ちゃんかはしゃいでる。

例え大好きで大切なメンバーでも
Aだけは譲らないからね。

千ちゃんごめんね。

「お待たせ」

ミツのマネージャーに声を掛けると

「お先にー」

「「はーい」」

ニカ千にも声をかけて楽屋を出る。

Aも頑張ってるんだから
俺も頑張らないと！

決意を新たに
次の現場に向かった。