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そのままの君でいて 24 ページ47

裕太を見送って
家電の使い方を聞いておいた通りに
部屋を掃除したり
洗濯をする。

…何だか照れくさい。

自分の家でも同じ事をしてるのに
裕太の家というだけで
どこかくすぐったい感じ。



一通り終えて
朝ごはんを食べていた時の裕太の言葉を思い出す。

「あー、今日は千ちゃんと仕事で10時から収録開始だから集合する9時くらいが一番暇かなー。その時間にゲームしよっかなー」

伸びをしながらチラチラ私を見て
ものすごく大きなひとりごとを言っていた。



「その後は収録や取材で夕方まで仕事してるから終わる頃にはAのバイト始まっちゃうなー」



またチラチラ私を見て言う裕太は
戸惑う笑うを見てふにゃぁって笑って出掛ける支度を始めていた。



………優しいな、裕太。



時計を見ると9時少し前。

意を決してスマホを手にすると千賀さんに電話を掛けた。



Trr…

1コール鳴りきる前に

『はいっ!』

千賀さんが電話に出た。



えっ!早いっ。
心の準備がまだ出来てないよ!



「あ、あのっ、朝早くごめんなさい!tamaです」

慌ててとにかく挨拶すると

『おはようございます、千賀です』

千賀さんに掛けてるから当たり前なのに
キチンと名乗る所がいかにも千賀さんらしい。



「…いま、お電話大丈夫ですか?」

聞いてみると

『はい!いま僕もtamaちゃんに電話しようとしてました』

千賀さんがものすごく食い気味に言ってくる。



……そうなの?

どうしよう、クビって言われるかな。



「昨日、ごめ…」

まで言いかけた時に

『tamaちゃん、昨日はごめんなさい!』

千賀さんに先に謝られてしまう。

「え…」

びっくりして思わず言葉を飲む。





千賀さんが謝ることなんてないのに。



『昨日、あの後自分で録音して聞いてみたんです。そしたら、得意な最初以外は弾けてるだけだって分かったの』



千賀さんの本当に申し訳無さそうな声。

良かった。
怒ってなかった。



ホッとしたら涙が出てくる。

『……tamaちゃん?』

黙ったままの私に千賀さんが声を掛けてくる。



「あの、ホントに、ごめんなさい。千賀さんに酷いことばかり言ってしまって…」

鼻を啜っちゃったから

『え!tamaちゃん泣いてる!?』

千賀さんにバレちゃう。



「……泣いてないです」

『嘘だねー、……って、俺のせいだよね、ごめんなさい』

千賀さんが謝ってきちゃうけど

「違います!私のせいです!」

慌てて言う。



千賀さんは何も悪くないよ。

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りさ - shizuさん» わかりました(*^-^*) (2021年3月4日 3時) (レス) id: d9bbc47835 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - りささん» お待たせしました。続編に進みました! (2021年3月3日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続編楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月21日 1時) (レス) id: 4e892c9c3e (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年2月19日 1時) (レス) id: 983b81c132 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月11日 1時) (レス) id: 7618a5cf86 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2020年5月3日 13時

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