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そのままの君でいて 2 T ページ4

お店の場所は
この前Aか送られてきてるから
後は行くだけだ。

仕事が終わってから行ってみると
すごく雰囲気のいいお店だった。



「いらっしゃい」

感じのいいマスターが出迎えてくれる。



「おひとりですか?」

「はい」



その俺が返事した声で

「え?」

振り返るワンピースの女の子。



それがAだった。



「…ゆ……どうしたの?」

名前を言いかけて止める。



伊達メガネは掛けてるけど
周りにお客さんが居たから気付かれたら、と思ってくれたみたい。



「……近くに来たから」

小声で答える。



ホントは違うけど。



「そうなんだ」

俺が心配で来てることに気づいてるのかもしれないけど
優しいAはそれ以上追求しない。



「何飲みます?」

メニューを出しながらマスターに聞かれて

「あまり強くないんで軽めのお酒を…」

分からないからそう頼むと

「かしこまりました」

困った顔をしないで
俺に気づいたのかみんなから顔が見えない席に通してくれる。



バーって言うから心配したけど
ホントにいいお店だね。



「Aちゃん、そろそろ…」

「はい」



マスターに声をかけられてピアノに向かうAは
俺をチラッと見てピアノに触れる。



優しいタッチで始まったのは
Aがいつだったか弾いてくれたショパンのノクターンだった。



弾いてる顔がイキイキしてて
途中で俺と目が合うと優しい顔で笑ってくれた。



うわ、不意打ち。

ものすごくドキッとする。



多分俺のいまの顔は真っ赤だと思う。



弾き終わって少ししてAがカウンターに来る。



「びっくりしたよ、急に来るんだもん」

Aが小声で話しかけてくる。



「近く通ったからお店聞いてたし来ちゃえ、と思って」

「ものすごく緊張したよー」

Aは言いながらニコニコしてるから
ホントに?って思うけど。



「あのね、今日契約してすぐ仕事決まったの」

「え、すごいじゃん」

「ドラマの女優さんの影武者」

「へー」

「ピアノ弾く役なの」

「へー!すごいね」

「もっとすごいのがそのドラマのタイトルが…」



Aが口にしたのが
今度俺が出るドラマのタイトルだった。



「えっ!?」

「そうなの!すごくない?」

「えーーーっ!!」



びっくりして何も言えない。



「明日の打ち合わせは裕太もいるの?」

「ううん、俺は終わってて次行くのは撮影の予定」



Aの初仕事が同じドラマとか。

嬉しいけどなんだかザワザワする。

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りさ - shizuさん» わかりました(*^-^*) (2021年3月4日 3時) (レス) id: d9bbc47835 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - りささん» お待たせしました。続編に進みました! (2021年3月3日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続編楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月21日 1時) (レス) id: 4e892c9c3e (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年2月19日 1時) (レス) id: 983b81c132 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き楽しみにしてます(*^-^*) (2021年2月11日 1時) (レス) id: 7618a5cf86 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2020年5月3日 13時

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