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夢の途中 3-4 side 2 ページ8

「…食べます?」

その子は聞いてくるけど。



初対面の人と食べ物シェアする?
普通。

変わってるな。
俺なら絶対しないけど。



ぽかんとしてると大将が

「は!?Aがこれ譲るとか!嘘だろ!?」

ものすごく驚いてる。



家族で喧嘩になったって言ってるくらいだから
この子にとって相当好きなもののはずなのに。



もしかして俺の事知ってて言ってるとか?



でもそんな素振り全くないし
いまものすごく恥ずかしそうなのも素だろう。



たださすがに申し訳ないから

「ならまた今度来た時に食べようかな」

話を終わらせようとしたのに

「こんないい豚のバラ肉当分入らないから食べてみてくれたら嬉しいけどね」

大将が言いながらめっちゃ笑顔。
これ、この子も困るだろうな。



でも、正直食べてみたい。

絶対絶対美味しいはずだもん。



………ってのが顔に出てたみたい。



「…じゃあ、半分こします?」

その子に言われてつい

「ありがとう!」

食い気味に答えちゃった。



大将が奥に行ってから改めてお礼を言うと

「ものすごく欲しそうな顔してたからつい声掛けちゃいました」

その子が言う。



マジで!?



「え!そんなに顔に出てた?」

「はい」



その子は真顔で頷く。

よっぽどだったんだね。



「でもそんなに大好物なのに譲ってくれてありがとね」

「いえ、ここの角煮の美味しさ分かってもらえれば十分です」

「大丈夫?1週間口聞かないとかしない?」

つい笑っちゃいながら聞くと

「だってもう会う事ないでしょ」

真顔で冷たく返される。



ひどっ。



「そんな事ないよ」

「あるでしょう。理由も無いし」



この言い方。
そしてさっきからの真顔。

もし俺を知ってて下心があって角煮譲ってくれようとしてるなら
絶対こんな言い方しないよね。



ってことは。

大好物なのに
本当に純粋に俺に譲ってくれようとしたんだ。



いい子過ぎ。



また会ってみたいな。



「んー、じゃあ賭けしない?また偶然会うかどうか」



俺が提案すると

「賭け?」

不思議そうなその子。



「うん。次また会えたらお友達になろ?」

「お友達?」

「うん、お友達」



だって3回会えたら凄くない?



あ、でもこの子俺と2回目なの覚えてるかな。



色々考えてたら

「いいの?」

その子が聞いてくる。



「は?何で?」

「だって女の子の友達とかダメじゃないの?」



この聞き方。

俺が誰か分かってるんだ。



なら話は早いじゃん。

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shizu(プロフ) - 深雪さん» コメント気づいてませんでした!ごめんなさい!! 全メンバー目標ですヽ(*´∀`)ノ (2020年5月8日 22時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
深雪(プロフ) - ニカちゃんがニカちゃんらしくて最高です。あの、もしかして全メンバー分書いてくださるのでしょうか?期待しちゃっていいのでしょうか。 (2020年5月5日 23時) (レス) id: a8c1d7b9de (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - もち?太郎さん» ニカちゃん思いついちゃって全部終わってないのに先に始めちゃいました(笑)どこかでこのアカウントでもコメントいただいてますよー!少しずつ更新します(〃▽〃) (2020年4月18日 16時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
もち?太郎(プロフ) - こんにちはshizuさん!!このアカウントだと多分初コメなんではじめまして!つ、、、ついにですか!?千ちゃんが先かと思ってました!あの、、、めちゃくちゃ楽しみです、、 (2020年4月16日 11時) (レス) id: 3f59dac3ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2020年4月16日 8時

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