太陽の当たる場所

夢の途中 19 side 2 ページ38

誕生日を祝ってくれた日から
理由をつけてはAちゃんちに行く。

どんどんAちゃんちが
居心地よくなってる。



極めつけは誕生日の後だった。

「あ。0時過ぎちゃった」

食べた食器を洗うのを手伝って
のんびり過ごしてたら日付が変わってた。



「ニカ明日仕事でしょ？」

「うん、さすがに帰るわー」



言いながらあくびをしちゃうと

「…帰り、大丈夫？」

Aちゃんが心配そうにしてて。



「大丈夫だよ、運転好きだし」

「でも…あ、そうだ。ちょっと待ってて」



Aちゃんが冷蔵庫から「冷えピタ」を出してくれる。



「これと、コーヒーもあるけど飲んだらその後寝るのに良くないよね」

「え！コーヒー欲しいっ」

「ダメ。睡眠の質が下がるから良くないよ！明日仕事でしょ？」



俺のことをちゃんと考えて
しっかりしたことを言ったりする。

普通のことなのかもしれないけど
きっとAちゃんは仕事が好きで
仕事に対して真剣だからこんな発言が出るんだろうな。



「運転してて辛くなったら貼って。目が覚めるから。あと…」

言いながらタブレットや手のツボ押し用のイガイガしたボールとか色々持たせてくれる。



やっぱりいいな、Aちゃん。

確かに明日仕事なのに夜のカフェインは良くないよね。
仕事第一なとこがホント一緒。



それから何回か家に行ったけど
話せば話すほど感覚が似てて話が合って
いいな、って思う事が多い。



どっかに一緒に行きたい。

多分Aちゃんとの旅行絶対楽しい。



バイクの免許取ったらツーリングしたいんだけど

「行かないよ。自分のペースで走りたくない？」

って冷たく返される。



でも確かにそうか。
ペースあるよね。

「あー、それはなんか分かる。マラソンで自分のペースあるのに『一緒に走ろ？』みたいなやつ？」

絶対無理なのにさ。
何だか約束したがるよね。

「そうそう、それ」

Aちゃんが食い気味に反応する。



ほらやっぱり一緒。



「じゃあ現地集合現地解散とか」

「なら一緒に出掛ける意味ないじゃん」



また壁を作られる。

でもまた突破するもんねー。




色々言ってみるけど

「仕事的にニカは私と一緒はまずいでしょ」

ごもっともな意見がAちゃんから返ってくる。



あっ！

いいこと思いついた！！



「それならさ、Aちゃんスキューバやらない？」



名案だと思ったけど
Aちゃんは乗り気じゃないみたい。



え？

だめ？？？

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