太陽の当たる場所

夢の途中 17 side 2 ページ34

Aちゃんが
俺の誕生日知ってたなんて。

てゆーか
自分の誕生日忘れてたんだけど。

そっか！明日か！！



「もんっっっのすごく嬉しいっ！ありがと！」

まさかの！！
まさかのプレゼント！！



「しかもこのコップ！俺のメンバーカラーなのっ！知ってたの！？」

嬉しくて聞いちゃうと

「あ、ごめん、そうじゃない」

申し訳無さそうなAちゃん。



「そっか」

そりゃそうだね。



「でもね、緑は一番好きな色」

Aちゃんが言う。



「え？」

「そのコップ、ニカにすごく似合うって思ったの」



Aちゃんが少し照れた顔をしてる。



『好き』はコップに対してなのに。

なんかドキッてする。



「って事で、炊き込みご飯まで食べたら多いから…」

「じゃあさ、おむすびにして持って帰っちゃダメ？」

「え！」



Aちゃんがびっくりしてる。



「誕生日明日だから。明日の朝それ食べて仕事行くっ！」

「えぇっ？」

「そこまでが誕生日プレゼントにしてもらっちゃダメ？」



Aちゃんは

「……それでニカが嬉しいなら」

少し困った顔をして言うけど
もしかしてこの顔は照れてるのかな。



「うん！めちゃくちゃ嬉しいっ！」

「ならおむすびつくるね。美味しいか分からないけど」

「美味しいっしょ！だってAちゃんが作るのなんでも美味しいもんっ」

「だからそんなに何品も食べてないでしょ？」

Aちゃんは苦笑い。



「とにかく、すぐ焼きそば作るね」

「うんっ」

「あとこれおじさんのお店の料理。この中に食べたいのあったら食べてて」

容器を出してくれるAちゃん。

「え！！」

すごっ。
煮物いろいろあるっ。



「えー！すごい贅沢っ」

「美味しいよー」

「めちゃくちゃ嬉しい」



…そっか。

焼きそば、ものすごくワガママだったんだ。



「ごめんね、焼きそばリクエストして」

「全然。家中綺麗になったからお礼したいから」



キッチンからAちゃんが振り返って笑う。

その笑顔がものすごく可愛くて。



「今日本当にありがとう。来てもらって良かった。すごく楽しかった！」



笑顔と合わせてキュンキュンする。



「ね、友達になって良かったって思ってくれた？」

「そうだね」

「ふふふー、やったね」



やっと友達になれたのかな。

良かったー！



「でもさすがにそろそろ服着て」

Aちゃんが俺を振り返らずに耳を真っ赤にして言う。

「はーい」



あーもう。

嬉しくして仕方ないっ！

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