太陽の当たる場所

夢の途中 17 ページ33

ニカが喜ぶかなんて分からない。



勝手に誕生日を知って
勝手にお祝いすることにして
勝手にケーキ買っちゃって。



炊き込みご飯食べたら
ケーキ食べられなくなっちゃうし。

そう思ってつい見せちゃったケーキ。



見せてから思った。

これ、ただの自己満になっちゃわないかな。
ニカは私に誕生日お祝いされたところで
嬉しいのかな。



恐る恐るニカを見ると

「……」

ケーキを見て固まってる。



あ、やっぱり迷惑だったな。



「ごめ…」

「え！マジで！？」

ごめんねって言いかけたとこに
ニカの言葉が重なる。



「俺の誕生日知ってたの！？」

「さっきwebで見て…」

「それで用意してくれたの！？」



ニカがすごい笑ってる。

豚の角煮食べた時と同じ顔をしてる。



「う、ん」

「えーー！！めっっっっちゃ嬉しい！！！」



スマホを取り出したニカはケーキを写真で撮りだす。



「ね！めちゃくちゃ嬉しいんだけど！」

「なら、良かった」

「うわーー！嬉しすぎっ！！」



カシャカシャカシャカシャカシャカシャって何回も音がしてるから
連写なってるんじゃないかな。



「ホントにありがとう！Aちゃん！」



ものすごく嬉しそうなニカ。

私まで嬉しくなる。



「あとね、これニカ専用コップ」

さっきのコップをテーブルに置く。



「え！」



驚いてるニカにラッピングした袋を2つ渡す。

「あと、これとこれ」

「え！え！うそっ！」

ニカが慌ててる。



「さっき知ったんでしょ？」

「うん、だから有り合わせだけど」



正直事前に知ってても
ニカが喜ぶものってニカは自分で買える気がするけど。



ラッピングを開けたニカは

「えーーーっ！！嬉し！箸じゃん！俺専用箸！？」

お箸を見て嬉しそうに笑う。



そしてもう1つを手にして

「え！え！これは？」

家にあったラッピング道具で慌ててラッピングしたやつなんだけど。



ラッピングを解いて

「……スプレー？」

中を見て不思議そうにニカが手に取る。



「バイクの免許取るって言うから、グローブを殺菌するスプレー。これふりかけて干しとくと臭くならないの」

「え！マジで！！」



ニカは相当綺麗好きみたいだから
喜ぶと思ったんだけど。



「すごい！！気にしてたの！！でもどれ買っていいか分かんなかったからめちゃくちゃ嬉しいっ！！」



ニカは顔をクシャッとさせて

「もんっっっのすごく嬉しいっ！ありがと！」

本当に喜んでくれた。



……良かった。

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