太陽の当たる場所

夢の途中 6 ページ11

それから13日。

叔父さんのお店には行かなかった。



今日は約束の日の最終日。



…どうしようかな。



考えながら仕事してたら夕方オーナーから

「急で悪い！今日中の仕事入ったんだけど誰か残れるか？」

原付が4台運ばれてくる。



状態を聞くと4時間くらいかかりそう。



いまが19時。

終わって行く頃には閉店かな。



「私大丈夫です」

「俺も」

私と田原先輩が手を挙げる。



何だかニカに会えない理由が出来て
ホッとしてる自分がいた。



『ニカ ジャニーズ』で検索した結果。

ニカがキスマイの二階堂高嗣なことは明らかで
そんな人と私が友達になるわけにはいかない。


仕事を終えて時計を見ると23時半。

2週間が終わる30分前。



気にしないつもりだったのに。

仕事が終わるとバイクに飛び乗った。




叔父さんのお店に着くと
ちょうどのれんをしまうところ。

「おー、どうした？」

「………」

叔父さんに面と向かうと
なんて言っていいかわからなかった。




「なんか食ってくか？」

「ううん、もう遅いし」

「そっか、じゃあ明日おいで。いいカマ入ったから煮付けにしとくよ」



叔父さんは深く聞かない。

それが有難かった。



…これでよかったんだよ。

ニカは軽い気持ちで言ったに違いないし。



逆に今日以降会っても
もうニカとはただの知り合いだから。

ただ食べ物をシェアしただけの関係。



家に帰ってシャワーを浴びてテレビをつけると
いつもより遅い時間なのに
ちょうど恋愛ランキングをやっていた。



何かで放送時間がズレたのかな。



でもこのタイミングで見れたのが
「ゲームオーバー」なのが突きつけられた感があって。



楽しそうな笑顔を見てると
ぽっかり穴があいた気持ちだった。



次の日仕事帰りに叔父さんのお店に行くと
カウンターのこの前と同じ席にニカがいる。



「……え？」

「やっほー！Aちゃん！」



…どういうこと？



「なんでいるの？」

「え？なにが？」

「2週間でしょ？会ったの先々週の金曜日だよね？」

だから昨日が2週間の期限だよね？



「うん。だから今日が2週間でしょ？」

ニカは全然不思議そうじゃないし
今日が2週間のつもりでいるみたい。



え？違うよね？



「え？」「え？」



ニカは今日までが2週間だと思ってたってこと？



賭けに勝ったって顔のニカと
ポカンとする私。



「じゃ、今日から友達ねっ！」

ニカは目をクシャッとさせて笑ってる。



いやいや、違うから。

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