太陽の当たる場所

夢の途中 12 side 2 ページ24

Aちゃんは
俺の距離感がおかしいって言うけどさ。



いやいやAちゃんの方がおかしいよ？

普通男を家にあげてシャワー使わせる？
知り合ったばっかなのに。



「ていうか俺も言いたいけど」

「何を？」

「Aちゃんも簡単に男の人を家にあげるの？」

「それはニカが強引に…」

「強引に来られたら誰でも家にあげるの？」



それはさすがに心配なんだけど。

つい怒った口調で聞いちゃうと
さすがに詰まってるAちゃん。



「誰でもはあげないよ」

そう言うけど
一瞬間が空いたことで俺分かっちゃったよ？



「…それは『家に行く』って言われた事ないからじゃなくて？」



図星だったみたい。

Aちゃんが黙っちゃう。



ダメだ。

さすがに心配。


俺は芸能人だから変な事しようがないからいいけど
多分いつか騙される。



これは
俺がちゃんと見張ってないと！！



「だから俺がAちゃんの友達になって友達の距離感教えるから。はい！決まり！」



そうと決まれば
早く帰ってひとまず掃除道具揃えなきゃ。



「明日何時から掃除するの？」

「6時くらい」

「え！じゃあ寝る時間ないじゃん。夕方にしようよ、外の掃除」

「………」



俺の提案にめっちゃ不満そうなAちゃん。



「そのかわり床や水周りとか洗濯機とかめちゃくちゃ綺麗にするから」

「…別にしてくれなくていいよ」

「そんなこと言っていられるのも今のうちだよ？絶対後悔させないから！」



笑ってみせるけど
やっぱりAちゃんは不満そう。



「明日お昼くらいに来るね」

「……」

「んでAちゃんちで夕飯食べて外を掃除して帰るから」

「……」

「汚れてもいい格好でいてね」

「……」



一方的に話す俺にAちゃんはしばらく黙ってたけど

「………わかった」

全然分かってないって顔をして言う。



「よく今まで何とも無かったよね、都会での生活」

「必要最低限の人としか接してないし」

俺が言うとAちゃんは冷たく答える。



そんな生活楽しいのかな。



なんかAちゃんはまだ謎が多そうだな。

でもそんなのこれから分かっていけばいいし
これからが楽しみなことに変わりはない。



ただの友達だし
深く接してみてお互い合わないって思えば
もう会わなきゃいいだけの話だもんね。



けれど今のところ
俺はAちゃんに好感度しかない。



この子友達だったら絶っっ対面白い。

根拠なんて全くないけど直感でそう感じるんだもん。

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