太陽の当たる場所

夢の途中 11 ページ21

「シャワー借りていーの？」

ニカが靴を脱ぎながら聞いてくる。



「…いいけど」



本気だったんだ。



ニカにとって女の子の部屋でシャワー借りるとか
普通のことなのかな。



結構軽いんだね。



「タオル借りれる？」

「うん」

「ありがと」



普通にシャワーに向かう。



なんか変に緊張して損した気分。

ため息をつくと焼肉を焼き始める。



少しすると

「んんーっ、いい匂いーーっ」

ニカがやって来る。

振り返るとちゃんと着替えてた。



「シャワーありがと」

「うん。スマホはそこね」

「ありがとうー」



テーブルのスマホを手で示すと

「え、充電してくれてるの？」

「うん。同じ充電口だったから」

「ありがとー。お礼に消毒しとくよ」

「消毒！？」

振り返るとアルコールティッシュで私のスマホを拭いてくれてる。



「スマホには1日ですごい数の菌つくんだよ？」

「…確かにそうかも」



仕事して手を洗う前に触ることあるし。



「え！このバイクAちゃんのなの？」

私のスマホを見たのかニカが驚いてる。



あれ？バイク見せたっけ。

あ、そうだか。
お店の前に止めてたもんね。



「…そうだよ」

火を止めて振り返ると

「あれ！めちゃくちゃカッコイイよね！」

すごくキラキラした顔で褒められる。



さすがに悪い気はしない。



「……ありがと」

「なんてバイクなの？」

「W650」

「え！大型なの！？」

「そう」

「すごっ！！！俺もね！今度大型バイクの免許取るの！」

「そうなんだ」



焼肉丼を仕上げてると
ニカは楽しそうに私を見てる。



昨日とは全く違う雰囲気。

何だろう？



「これとスープでいい？」

「ありがとうー！てか結構ガッツリなんだね？」

「仕事柄スタミナ必要なのと明日は朝から大掃除するから」

「大掃除？」



ニカが反応する。



「うん。バルコニーと水周り」

「バルコニー？」



不思議そうにしてるからカーテンを開けると

「うわーーーー！！！！」

ニカが感動してる。




「え！BBQとか出来そう！！っていうかここすごく高いんじゃないの！？」

「ううん、格安」

「なんで！？」

「多分手入れが大変なのと夏暑く冬寒いの」

「え！出てみていい？」

「まだやめといた方がいいよ。電気消してからの方がいいから」

「は？」



なんて言ってるそばからガン、て音がして

「うわっ！」

ニカがびっくりしてる。



多分セミかカナブンとか
何かが窓にぶつかったんだろうな。

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