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妹。F -side you- 21 ページ43

いよいよたい兄が
大阪に行く時。

引越しの荷物を運んでから
家族全員で1泊してUSJで遊ぶ。

沢山写真を撮って5枚入るキャラクター満載のフォトフレームを買った。



厳選した写真を現像して

「これ飾ってね!」

たい兄の部屋の1番目立つとこに飾った。



「俺の部屋に合わなくない?」

たい兄は苦笑いだけど嬉しそうに笑ってる。



一度東京に戻って
いよいよたい兄が大阪に行く前日。



「じゃあね、たい兄」

夜寝る前にたい兄に挨拶をする。



「え、お見送りしてくれないの?」

たい兄は少し寂しそうだったけど

「……だって泣いちゃうもん」

そう言うとたい兄は少し笑ってる。



「じゃあ今日寝るのも別?」

「うん、泣いちゃうもん」

「あはは、また休みに帰ってくるから」



たい兄は声に出して笑うと私の頭をぽんぽんってして

「また夏休みにね」

「………うん」

ゴールデンウィークは帰って来ないんだ。

不満そうにむくれると
たい兄がニコッて笑って

「待てるでしょ?もう高校2年生なんだから」

いい子いい子をしてくれる。



「…高校生にいい子する?」

「Aが可愛いからするの」



たい兄が甘いこと言うけど。



子供扱いが不満な私は
たい兄にムスッとする事しか出来ない。



「A」

ムスッとしたままの私をたい兄がフワッと抱き締める。



「お利口さんしてるんだよ?」

「うん」

「母さんと兄貴の言うことちゃんと聞いてね」

「うん…ってたい兄、私のこと完全に子供扱いしてるよね?」

「…そんな事ないよ?」


たい兄は言うけど。



え?ホントに?

私が見上げるとたい兄は笑いを堪えてる顔をしてる。



「ほらー!やっぱりっ!」

「あはははは、またね、A」



たい兄が部屋に帰っていく。

最後が笑顔で良かった。



自分の部屋に帰ったけど
全然寝れなくて。



一睡もせずに外が明るくなってくる。



そっとたい兄の部屋に忍び込むと
たい兄は気持ち良さそうに寝てる。



……たい兄、これから新しい生活で彼女とか出来ちゃうのかな。

もうAの事忘れちゃうかな。



そう思ったら涙が止まらない。



だからそっと。

本当にそっとたい兄に近づくと
たい兄の唇にそっとキスをした。



Aのファーストキスは
たい兄だよ?

多分、最初で最後のキスだから。



たい兄勝手にごめんね。

行ってらっしゃい。



溢れる涙を拭ってたい兄の部屋を出る。



子供な私は
本当に見送りに行かなかった。

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shizu(プロフ) - Haruさん» 王道すぎる話なのですが。ガヤさんがお兄ちゃんとか最高。ミツ担な私はとにかくミツは彼氏枠でお兄ちゃんでは辛い(笑) (2020年4月11日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - わーん、また切なくてでもなんだかこの兄弟関係がほのぼのしていい短編!たいぴ見たいなお兄ちゃんがいたらきっと私もひっついて離れないです(笑) (2020年4月9日 19時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2020年4月9日 19時

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