すぐ近くにいる another story 5

妹。F -side you- 15 ページ37

「あのなぁ」

たい兄と一緒に寝た次の日。
みつ兄に部屋に呼ばれた。



「お前いい加減太輔困らせるの辞めろ？」



ちゃんと座らされた私はみつ兄から割と本気で怒られた。



「何で？たい兄困ってる？」

「困るに決まってるだろ！お前だってもう年頃の女だろーが」



みつ兄ってばそんな事考えてたの？
私とたい兄は兄妹なのに。



「…みつ兄の変態」

最低っ。



「バ…ッ、一般論だ一般論！お前自分の同級生が太輔と寝てたら嫌だろ！？」

私が凄い顔をしてたのか真っ赤になって慌ててみつ兄が言う。



「そりゃ嫌だよ！でも私とたい兄は兄妹だよ？何でそーゆー発想になるの？」



『私とたい兄は兄妹』

…何だか自分で言って自分で傷つく。



「…ゆーても男と女なんだかんな？」



また『変態』って言われるのが嫌なのか
みつ兄はムッとした顔で。



みつ兄の言いたいことも分かるけど
逆にこれが妹の特権だもん。



「…たい兄が嫌だって言ったらやめる」

「おー、約束だからな」



やっと解放されて
さっそくたい兄の部屋に行く。



「兄貴に怒られた？」

たい兄はクスクス笑ってる。



笑ってる時に上下に揺れる喉仏がなんかセクシーで。

見てて恥ずかしくなったから
慌てて顔を逸らして定位置について宿題を広げる。



「…怒られた」

「やっぱり？」

「でもAは今日もたい兄と寝たいけど」

「…………え？」



たい兄がびっくりして振り返る。



「だってたい兄と寝ると落ち着くんだもん。昔から一緒に寝てたからかな」

甘えた口調で言ってみる。


こうなったら兄妹の特権をフルに使ってやるっ。



たい兄は困った顔をしてるけど

「たい兄と寝るとすごくよく寝れる！」

ニコッて笑ったら

「甘えん坊」

困った顔をして笑ってるたい兄。



…あぁ、この顔も好き。



『一緒に寝よう』って言ったらダメって言うだろうから
夜中に勝手に寝に行く。



それから毎日忍びこんでたけど
生理の重いときになんとなく3日間1人で寝たら
やっぱり寝られなくて。

4日目にたい兄の布団に忍びこむ。



たい兄に抱きつくとホッとして
私が入ってきたのに気づいたたい兄が

「…A」

嬉しそうに名前を呼んで優しく抱き返してくれた。



ものすごくホッとして暖かくて気持ち良くて
すぐ眠くなる。



「Aが来るの待ってた？」



聞いてみるけどたい兄から返事はないけど
代わりに優しく頭をポンポンしてくれて。




安心して眠りについた。

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