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妹。F -side you- 12 ページ34

中学生になっても
たい兄ちゃんの部屋に居るのは
変わらなかった。



たい兄ちゃんは優しくて
私に出ていけとは言わずに一緒に居てくれた。



「たい兄ちゃんが彼女連れてきたらその時は自分の部屋に帰るから」



一度だけ言ってみた事があった。



でも『それならいいや』とか言われたらどうしよう。
実はたい兄ちゃんに彼女いたらどうしよう。

だから怖くてたい兄ちゃんを見ないで言った。



そしたら

「いないよ、彼女なんて」

たい兄ちゃんは優しい声で言う。



思わず

「………良かったぁ」

本当に嬉しそうに言っちゃうと
たい兄ちゃんは不満そうだった。



「何その俺に彼女出来ない方がいいみたいな言い方」

「そりゃそうだよ、私が彼氏作る方が先だもん」

そんなこと言って誤魔化したけど。



たい兄ちゃんより好きな人なんて
出来る気がしない。



何で私とたい兄ちゃんは兄妹なんだろう?

兄妹は永遠だけど
夫婦には敵わない。

いつかたい兄ちゃんに奥さんが出来たら
その絆には勝てないんだ。



それが嫌で仕方なかった。



たい兄ちゃんの一番近くにいるのは私なんだから。



だから

「ねーねーたい兄ちゃん、編み込みって出来る?」

ゴムとブラシを持ってたい兄ちゃんに渡す。



「編み込み?」

「うん、この前三つ編みしてくれたでしょ?だから今度は編み込みー」

「…やったことないんだけど」



たい兄ちゃんが困ってるからやり方を書いた雑誌を渡すと
たい兄ちゃんは私の髪を丁寧にブラッシングしてくれてから

「えぇっと…」

一生懸命やってくれる。



たまにたい兄ちゃんの指が耳や首に触れてくすぐったい。



「ふふふっ」

笑っちゃうと

「あ、ゴメン。くすぐったい?」

たい兄ちゃんが心配するけど

「ううん、へーき」

それよりこんなに近くにたい兄ちゃんが居る事が嬉しいから。



これはいい。

難しい髪型見つける度にやってもらおうかな。



「……出来た」



格闘すること30分。

たい兄ちゃんが言う。



鏡で見るとものすごくキレイに出来てる。



「たい兄ちゃんスゴい!!」

「……もうやらないよ」

「えー!やってやって!!」

「だーめ。今は時間あるからいいけど朝からこんなこと出来ないからね」



たい兄ちゃんは怒るけど全然怖くなくて。



結局またお願いした時に

「今からこの髪型してどうするの?」

もう夕方だからたい兄ちゃんは呆れてるけど。



結局やってくれちゃう。



たい兄ちゃんは結局私に優しい。

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shizu(プロフ) - Haruさん» 王道すぎる話なのですが。ガヤさんがお兄ちゃんとか最高。ミツ担な私はとにかくミツは彼氏枠でお兄ちゃんでは辛い(笑) (2020年4月11日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - わーん、また切なくてでもなんだかこの兄弟関係がほのぼのしていい短編!たいぴ見たいなお兄ちゃんがいたらきっと私もひっついて離れないです(笑) (2020年4月9日 19時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2020年4月9日 19時

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