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妹。F -side you- 11 ページ33

たい兄ちゃんが
居なくなったら。

それが怖くて
とにかくたい兄ちゃんと一緒にいた。



次の日も一緒に寝たいって言ったのに
たい兄ちゃんがお風呂の間にみつ兄ちゃんに呼ばれて

「太輔はAがどんだけ嫌な思いしたか分かってるから。こんだけお前くっついてたら寝るのくらいは別にしねーと可哀想だろ?」

どこか呆れた感じでお説教されちゃった。



「みつ兄ちゃんも一緒でいいから」

「おいコラ俺はオマケかよ」

「だってたい兄ちゃんが…」

思い出すだけで泣きそうなのに。



「…とにかく、今日もちゃんと話したからもう大丈夫。兄ちゃんを信じろ」

みつ兄ちゃんが真面目な顔で言う。



「それにAが居たら俺が読んでた雑誌も読めねーだろ?」

「たい兄ちゃんはそんなの読まないよっ!」

「わかんねーだろそんなの」



みつ兄ちゃんはニヤッて笑うけど
こんな言い方をみつ兄ちゃんがしてるってことは
まだたい兄ちゃんは読んでないのかな。



理由はともあれ
みつ兄ちゃんがここまで寝るのを反対するなら
別の方がいんだろう。

ただみつ兄ちゃんは
起きてる時に一緒にいるのをダメとは言ってない。



だから寝る時以外は一緒に居た。



クラスの子に話すと

「えー、お兄ちゃんとずっと一緒とか絶対無理!」

って言われたけど。



全然平気だった。

たい兄ちゃんと離れる方が嫌だった。



この頃からみんなクラスの誰と付き合ってるだの
誰が好きだの言ってたけど
全く興味が無かったし
アイドルにも芸能人にも興味が無かった。



ただたい兄ちゃんだけ居れば良かった。



「それってブラコンじゃない?」



クラスの子にからかわれても気にしなかった。



だってたい兄ちゃんが1番好きだったから。

それが全てだったから。



みつ兄ちゃんに相談すると

「Aはさ」

すごく真面目な顔で

「みんなが太輔と仲良すぎるの気持ち悪いって言われたら太輔と一緒にいるの辞めるの?」

聞かれて改めて考えた時に
それは違うなって思った。



「…辞めない。たい兄ちゃんと一緒にいる」

首を振ると

「だろ?周りは周り、AはAだろ?」

みつ兄ちゃんは嬉しそうだった。



「うん」

「いーじゃん、太輔が一番ならそれで。いつか他に好きな人出来るかもしんねーし」

「……うん」



無理だ。

たい兄ちゃんより好きな人なんて居ない。



そしてたい兄ちゃんにも
好きな人が出来てほしくない。

たい兄ちゃんも私のことだけ構ってくれたらいいのに。

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shizu(プロフ) - Haruさん» 王道すぎる話なのですが。ガヤさんがお兄ちゃんとか最高。ミツ担な私はとにかくミツは彼氏枠でお兄ちゃんでは辛い(笑) (2020年4月11日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - わーん、また切なくてでもなんだかこの兄弟関係がほのぼのしていい短編!たいぴ見たいなお兄ちゃんがいたらきっと私もひっついて離れないです(笑) (2020年4月9日 19時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2020年4月9日 19時

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