妹。F -side you- 8 ページ30
少しして
みつ兄ちゃんから電話が来る。
一番近くの駅の駅員さんが
たい兄ちゃんそっくりの人を見たらしい。
『太輔のことだからまず一番遠い駅に行くはずだから』
みつ兄ちゃんは言う。
『ひとまず終点の駅の駅員さんが見たら連絡くれるって。だから俺も1回帰るよ』
「うん」
『母ちゃんに朝メシ作ってって言っといて』
「分かった」
『いいな？ちゃんと伝えろよ？』
「……うん」
変に念を押すみつ兄ちゃんが不思議だった。
電話が切れてママに伝えると
「ママいらない」
ってしょんぼりしてママが言う。
なるほどね。
みつ兄ちゃんがママじゃなくて私に言ったのは
ママに頑張ってもらいたいからか。
「A、ママと一緒にママのホットサンド食べたい。卵のやつ」
「…え？」
「ママとみつ兄ちゃんとご飯食べて、ママとたい兄ちゃん帰ってくるの待ちたいな」
「……そっか。じゃあ作ろうかな」
ママは少し笑って作る準備をしてくれる。
少ししてみつ兄ちゃんが帰ってきた。
「ただいまー」
「おかえり！」
玄関まで迎えに行くとキッチンから音がしてるのを確認したみつ兄ちゃんは
「ん、さすがA」
ニヤッて笑う。
「こういうことだよね？」
「そ、こーゆーことっ。連絡係もサンキュ」
頭を撫でてくれるから嬉しくて私も笑う。
「太輔も帰ってくるだろーから。俺が怒るからAは怒るなよ？」
みつ兄ちゃんは言うけど
「…やだ。怒ってるもん」
そこは首を振った。
納得する訳ないじゃん。
あんなお別れの仕方されて怒るななんて無理。
「ま、それもそーか。みんなで怒るか」
「うん」
「ははは、よし！メシ食って待つか！」
即答する私にみつ兄ちゃんが笑ってるけど。
ふと思い出した。
「ねぇ、みつ兄ちゃん。枕元にあった雑誌…」
「しーーーっ！」
言いかけた私の口をみつ兄ちゃんが振り返って塞ぐ。
「…母ちゃんにはぜってー言うなよ」
「………」
みつ兄ちゃんが小さい声で言う。
コクコク頷く。
「みつ兄ちゃんはああいう格好の人が好きなの？」
なかなかセクシーな人だったけど。
ほとんど服着てなかったけど。
「……まぁ、男はみんな好きだろ」
照れくさそうに言うみつ兄ちゃんの言葉が衝撃だった。
男の人みんななの！？
「え！たい兄ちゃんも！？」
「そりゃそーだろ」
兄ちゃんはニッて笑う。
……そうなんだ。
なんか嫌だな。
妹。F -side you- 9→←妹。F -side you- 7
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 463人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
shizu(プロフ) - Haruさん» 王道すぎる話なのですが。ガヤさんがお兄ちゃんとか最高。ミツ担な私はとにかくミツは彼氏枠でお兄ちゃんでは辛い(笑) (2020年4月11日 20時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - わーん、また切なくてでもなんだかこの兄弟関係がほのぼのしていい短編！たいぴ見たいなお兄ちゃんがいたらきっと私もひっついて離れないです(笑) (2020年4月9日 19時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：shizu
| 作成日時：2020年4月9日 19時
