妹。F 24 ページ16
俺は3年目だし
2年間で単位はほぼ取ったから
正直余裕だったけど
Aは大変そうだった。
1年目から勉強と課題で毎日バタバタしていて
家事はほとんど俺だった。
「たい兄ホントにごめんね」
「いいよ、Aは勉強頑張りな?今日1限からだろ?」
「あーもう、ホント次の休みは私が全部やるからっ」
洗濯物を干してる俺にAが申し訳なさそうにしてる。
Aはそう言うけど多分課題が山のように出て
それこそ何も出来ないはず。
いま思えばAが一人暮らしじゃなくて本当に良かった。
この忙しさだと絶対Aは家のこと何も出来ないし。
しかも普通に考えてこの道を選んだ地点で
俺ですら大変なのは予想出来た。
むしろ家から通えるとこに大学はいくらでもあっただろうに。
どうして大阪だったんだろう?
Aは疲れて帰ってくるとたいてい
「たい兄ー、甘やかしてー」
抱きついてくる。
「だいぶ甘やかしてるけどこれ以上何をするの?」
思わず笑っちゃうと
「何も聞かずに『いい子いい子』して」
甘えてくるから頭を撫でて
「いい子ですねーAはいい子ですよー」
お望みの通りにするんだけど
「違うっ!私が求めてるのはこれじゃない!」
って怒り出す。
何なの?
ワガママっぷりに笑っちゃう。
「じゃあどうして欲しいの?」
「もっと大人の人にする感じ」
「えー?」
大人にこんなこと普通しないと思うんだけど。
よく分からないけど仕方ない。
ソファで一度姿勢を正して
「A」
Aを呼ぶとAが不満そうに俺を見上げる。
包み込むように抱き締めて
無言で頭を撫でる。
満足だったのかAから力が抜けた。
これでいいんだ。
ホッとする。
「…Aは頑張ってるよ」
課題もちゃんとやってるしサボったりもしてないし。
耳元で言うと少しビクッて動くAは
「たい兄はどこでこんなこと知るの?」
何故か少し拗ねた言い方。
「分からないよ、これ正解なの?」
「うん、こーいうのして欲しかった」
ふふふ、って嬉しそうに笑ってるA。
「私にだけだからね、こんなことしていいの」
「当たり前でしょ、こんなこと他の子にしないから」
「ふふふふふ」
嬉しそうにAが抱きついてくる。
「たい兄」
「ん?」
「私、頑張って看護師になるから」
「ん、頑張れ」
しばらくこのまま抱き合ってたけど。
こんなことしてたら
いよいよAから離れられないよ。
463人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
shizu(プロフ) - Haruさん» 王道すぎる話なのですが。ガヤさんがお兄ちゃんとか最高。ミツ担な私はとにかくミツは彼氏枠でお兄ちゃんでは辛い(笑) (2020年4月11日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - わーん、また切なくてでもなんだかこの兄弟関係がほのぼのしていい短編!たいぴ見たいなお兄ちゃんがいたらきっと私もひっついて離れないです(笑) (2020年4月9日 19時) (レス) id: a682c15f64 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:shizu | 作成日時:2020年4月9日 19時