サイボーグな彼女 13

ふたりの夢 5 ki ページ4

空き時間に震えるスマホ。

内容を確認して

「はあ？」

つい声に出して呟くと

「なに、みっちゃん」

隣にいたよこーさんがびっくりする。



「あ、ゴメンなんでもない」

「…そ？」



よこーさんに謝ってから改めてスマホを見ると
今日のAの予定も『終日NG』になってる。



また？
なんなの？



最近車で会話しねーから
スケジュールアプリにAが予定を入れると
通知が来るよーにしてた。

そしたら今日も急に予定入れてるとか。



マジであのドラレコがストレスなんだけど！



俺も今日は予定あるけどさー。
でもせめて少し話したいんだけど。



あの子の事で俺を庇ってくれたお礼とか言いたいんだけど。



まーでも今日は洗濯に来てくれる日だし
一度帰って夜にまた出る予定だから
もしかしたら
ワンチャン少し会えるんじゃねーかな。



午後にAとタマが合流して
バラエティの収録して。



Aは今日は事務処理組だから
スタジオには居ない。

収録終わりに私用スマホにまた通知が来てて
明日も明後日も『終日NG』に変わってた。



さすがにこれは黙ってらんねーよ。



私用スマホにLINEを送る。

宏光話したいって言ったよな?



送ったけど仕事してるAは当然スマホを見てなくて。



帰りは一緒だったけど
タマも一緒だし俺が先に降りるから会話がない。

「おつかれー」

「おつー」「お疲れ様です」

車降りる時にAを見たけど無反応。



気づかねーか。

ちぇっ。



でもまぁ洗濯物回収しにうちに来てくれるだろーから。

そう思って待つけど来ねーし。



夜は夜でバーに行くと
友達とあの子が2人一緒にいるし。


結局一緒に飲んで
帰りのタクシーを待つ前にアイツがトイレに行って
例のアイドルと2人になる。



「アイツ飲みすぎじゃね？」

なんて話してるとその子が足をグラッとさせて転びかけるから慌てて支える。



「…ぶねっ」

「ごめんなさいっ」

体が触れないよーに腕だけ支えたけど。

周りにまぁまぁ人が居る。



…何このドラマみたいなやつ。



ダメだ。

これAんち行って誤解解こう。
今のうちに言わねーと。



タクシーで直接Aんちに行くと
電気がついてて男モンの靴がある。



「はぁっ！？」



つい玄関で声を上げると

「は？北山か？」

リビングからお兄さんの声。



「Aなら風呂だぞー」

「…あー、そすか」



あ、お兄さんがいるから今日ダメなのね。

なるほど。

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