サイボーグな彼女 13

ふたりの夢 4 ページ1

「驚いたー」

「ごめんね、急に」

「ううん、Aちゃんからこんな可愛い相談来るなんて思って無かったから」



宏光の部屋でDVDと写真集を見つけた私は
ラジオ局で再会したマンちゃんに連絡して
次の日の朝の開店と同時にランジェリーショップにいた。



「しかも昨日電話でなかなか言い出さないし」

「………だって恥ずかしくて」

「そりゃそうだよね、寄せて上げるブラが欲しいなんて言いにくいよねー」

「……」



確かに言えなかったよ。

今更胸を大きくしたい、なんて。



「あはは、可愛いなーもう」

何も言わない私の頭を撫でてくれるマンちゃん。



「こんなこと相談出来るのマンちゃんしかいなかったんだもん…」

「もーー！そんなこと言われたら協力するしかないじゃんっ」



真っ赤になってる私をマンちゃんは笑い飛ばしてる。



1人でも良かったけど
前に一緒にスパに行った時に体型の話をした時
「実は寄せて上げるブラでカップのサイズ変わったんだよー」
なんてマンちゃんが言ってたのを思い出して相談したら早速今日来てくれた。

ありがたいな。




「ってことはAちゃん彼氏でもできたの？」

「えっ！？」

「胸のサイズ気にするなんて、男の子に何か言われないと気にしないでしょ？」



ニコニコしてるマンちゃんに
何も言えなくなる。



「……実は去年の終わりに」

「えーー！そうなんだ！おめでとう！！」

「でも胸が小さいからフラレちゃいそうで…」

「は！？それだけで振られるの！？」



マンちゃんがものすごく怖い顔。



「それだけが原因でAちゃんを振るなんて絶対！！許さないからっ！！」

マンちゃんがびっくりするくらい怒ってて。
店員さんまで驚いてる。



「マンちゃん落ち着いて。多分原因の1つなだけで私のかたくて地味な性格とか他にも理由はあるから」

「これが落ち着いて居られる訳ないでしょっ！」



一度怒りのスイッチが入ったマンちゃんは止まらない。



そうだった、昔からマンちゃんはこうだった。
正義感と熱血漢溢れる子で
いつも何も言わずに黙ってからかわれてる私を守ってくれたっけ。

懐かしいな。



マンちゃんに下着を選んでもらって
もう1つ欲しい紺色が都内の店舗からの取り寄せで今日の夜に届くって言うから
それは夜に取りに来る約束をした。



一度家に帰ったら昨日の今日なのにまさか宏光が来てるなんて。

恥ずかしくてショッパーの袋を隠して逃げたけど。



…さすがに怪しかったかな。

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