サイボーグな彼女 13

ふたりの夢 17 ki ページ28

一緒にシャワー浴びる時も
何もしないとかある意味大変だったけど
出来るだけ変なことしねーよーにして
ドライヤーの掛け合いなんかしてみる。

Aはものすごく嬉しそうで
これが正解だったんだなって思う。



そろそろ寝るか、ってなってベッドの中で

「あのね」

「ん？」

「私、異動かもしれない」

Aが切り出してくる。




塚ちゃんの前フリもあるし
何も言わねーのも無理があったんだろーな。

ついにAが言ってくる。



ただ
俺は前から覚悟は出来てるから

「ふーん、そか」

とだけ言った。



Aはキョトンとした後

「…それだけ」

俺の意図を汲み取って俺に擦り寄って胸元に顔を寄せた。



「だろ？Aがどこ行ったって仕事変わるだけで後は何も変わんねーよ」



少なくとも俺の気持ちは変わんねー。

ギュッて抱き締めるとAも抱き返す。



ん、
伝わったってことだな。



「メシだって食いにくるし2人で過ごすし、こーやって一緒に寝るし。なんも変わんねーよ」

「うん」

「ただ仕事の時間が一緒だったのが減るってだけだな」

「…うん」



少し落ち着いたトーンでAが返すから
あ、もう大丈夫かなって思う。



だから俺も甘えていいかな。



「Aは？」

「ん？」

「俺と同じ気持ち？」

背中をポンポンしながら聞くとAは

「んーーー…」

少し考えてる。



悩むのかよっ。



文句を言おうとしたらAが俺の所まで上がってきて

「宏光」

「ん？」

「同じ気持ちだよ」

目を見て言ってくる。



「今日のことも色々ありがとう」

「…いろいろ？」

「うん。宮田さんに話をふられたときも、するめ持ってきてくれたことも、何も聞かないで待っててくれたことも」



クスッてAは照れて笑うと

「もうね、私は宏光ナシジャ愛ヲ知レナイのかも」

チュッて音を立ててキスをくれるAは
恥ずかしくなったのか俺の胸元にまた潜っちゃう。



…何これ。

可愛いすぎでしょ。



「言い逃げなんかさせねーよっ」

布団をめくってAの顔を見ると真っ赤で

「見ないでっ」

顔を見せないようにするけどもう耳まで真っ赤になってるA。



「無理、見るっ」

「やだ！」

「や、じゃねーよ見せろ」

「無理」



いつまでもジャレあっていつの間にか眠りにつく。



な、俺たちは大丈夫だよ。

離れたって問題ねーから。



抱き合って寝る今日はいつもより幸せで
一緒に目覚めた朝はどこかいつもより幸せだった。

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