サイボーグな彼女 13

ふたりの夢 13 ki ページ20

Aが出ていくのを
見守る俺と二階堂。


二階堂が

「なんかさぁ、みんなおかしくない？」

言いながらソファに寝転がる。



「みんな？」

「うん、マネージャーみんな。酒井ちゃんも小林ちゃんもなんかぼーっとしてるんだよね」

「へー」



そうか？

Aはぼーっとしてたの今だけで
最近は鬼のように空き時間はパソコン使ってるけど。



「Aは今だけで後は仕事してるけどな」

「ふぅーん」

「なんだよ？なんかおかしーのか？」

「んー、思えばそろそろ4月だな、って」

「は？」



二階堂の言うことがピンとこなくて聞き返しちゃう。



「鈍いなーもう。小林ちゃんと酒井ちゃん来たの4月でしょ？」

「おぅ」

「てことは新しい人来るかもでしょ？」

「……あぁー」



なるほど。

異動ってことか。



「Aちゃんが忙しくしてるってことはAちゃん異動なのかな」

二階堂がソファでゴロゴロ転がりながら言う。



「え？」

「しかもスケジュール見て考えこむとかさ。異動だからなんじゃないの？」

「……まさか」



Aが一番マネージャー短いじゃねーか。



そのタイミングでノックの音がして

「お待たせしました、撮影開始です」

Aが帰ってくる。



「「はーい」」


俺と二階堂が移動しようとすると
Aが俺をじっと見る。



「…なんだよ」

「いえ、ホコリかと思ったら見間違いでした」

俺から目を逸らして二階堂を見て

「二階堂さんは髪がおかしくなってます」

近づいて髪を直す。



「え、マジ？」

「はい。ネクタイも曲がってますけど」

「えー」

「二階堂さんまた寝転んでましたね？」

「あはは、バレた？」

「スタイリストさんが直してくれるからってダメだっていつも言ってますよね？ここから出たらキスマイで舞祭組の二階堂さんなんですから」

「はーい」

Aが二階堂のネクタイを直すと
少し甘えた声で二階堂が返事する。



Aは絶対に二階堂には『キスマイで舞祭組の』をつける。

二階堂のこだわりにちゃんと付き合うし
二階堂だけにじゃなくてどのメンバーにもそいつに合わせた接し方をする。



いいマネージャーだと思う。



「あーもう、Aちゃんいてくれないと俺仕事出来ないかもー」

「よく言いますよ、小林さんにも同じこと言ってるって聞いてますからね？」

「あはは、バレてるー」

二階堂が笑ってるのを見守るけど。



Aが他の人のマネージャーしてるのを見ても
俺平気なのかな。

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