この想いの結末は 9

after サプライズ？ 11 ページ10

Aside



「………はぁ」



東京からの帰りの新幹線。

何回目か分からないため息をつく。



結局、試験は不合格だった。

筆記と面接は合格。
実技が不合格だった。

会計を間違えたのが大きく減点された。



会計間違えるなんてダメだし
当然の結果だ。

周りが「なんでそれだけで？」って怒ってくれて
なんだか申し訳なかった。



私的には
太輔の入所日忘れちゃうくらい色んなことにいっぱいいっぱいだったから
余裕のない状態で店長の資格取れても良くないし
これで良かったって思う気持ちが半分。

やっぱり悔しい気持ちが半分。



太輔との電話はすれ違ってて
私が掛けると太輔出なくて
太輔が電話をくれる時に私が出ない。

もし電話が繋がったとして
やっと話す内容が試験落ちたって連絡なのもなーと思ったから
太輔には結果をLINEで知らせた。



まっすぐ帰りたくないなと思って
乗換口じゃなくて新幹線の改札を出たらアコちゃんが居る。



「あれ？」

「おかえりー！いまちょうど帰るとこでね。新幹線ついたトコだったからもしかしてって思ったから待っててみた！」



ニコッてアコちゃんに笑顔で言われて涙腺が崩壊した。



「え？え？え？どうしたの！？」

「ダメだったーーー」

「えぇっ！？」



アコちゃんが困るのは分かってたけど
涙が止まらなかった。



優しいアコちゃんにホッとしたら
我慢してた悔しさがドッと出てものすごく泣いた。



みんなが私をジロジロ見てるのもわかったけど
どうしても止まらなくて
アコちゃんには本当に申し訳ない。



なのにアコちゃんは

「頑張ってたもんね、悔しいよね」

なんて優しく背中をポンポンしてくれたから余計に止まらない。



「アコちゃーーーん」

「あはははは、いいよ泣きな泣きな」



絶対恥ずかしいはずなのに。

アコちゃんは気が済むまで泣かせてくれた。



ようやく私が泣き止む頃に

「ん、ご飯食べに行こっか。Aちゃんが大好きなお好み焼き食べよ」

「うん」

「エビグラタンのお好み焼きあるんだって！Aちゃんと行こうと思って調べておいたんだー」

スマホで画像まで見せてくれる。



ホントだ美味しそう。



「……行くっ」

「よし！いこ！！」



私のキャリーを引いてお店まで連れてってくれたアコちゃんは
ご馳走様までしてくれて。



泣き過ぎた私は最初の生のジョッキをほぼ一気に飲んで分かりやすく潰れて



太輔からの電話に気づいたのは翌朝だった。

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