この想いの結末は 9

after サプライズ？ 8 ページ7

Aside



「…またすごい顔だね」

「………」



東京に行く前。

アコちゃんのお店にトラベル用の化粧品を買いに寄るとアコちゃんが私の顔を見てびっくりしてる。



「誕生日なのに喧嘩？」

「…何で分かったの？」

「誕生日の日に腫れた目をしてて直晃さんが休みじゃない、てことは太輔は仕事だから感動の涙じゃないことくらい分かるけど」



うう、読まれ過ぎてる。



「…まぁ試験前のメンタル考えたらそうなるか」

「アコちゃーーん」



泣きそうな私にアコちゃんが笑う。



「おーよしよし。仕方ないよ、太輔の入所日でも忘れたの？」

「…アコちゃんエスパー？」

「あはははは、絵馬書きに行った話きいてたからもしかしてって思って。ごめんね、私も気付いたの昨日だったからさー」

私の頭を撫でてくれながらさらにアコちゃんは笑う。



「忘れてた私が悪いよ？悪いけどね？」

「あーあーもう、今から頑張るんでしょ？スタートから泣いてどーするの」



結局ポロポロ泣き出す私にアコちゃんは呆れて頭をポンポンしてくれた後

「はい、頼まれてたやつね」

レジ裏から私が頼んでおいた旅行用のケアグッズ一式を出してくれる。



「中に私からの誕生日プレゼント第一弾が入ってるから」

「うん」

「封筒が入ってるからそれは今日から1週間でどーしても辛い時に開けてね」

「…分かった」

泣いてる私にアコちゃんはティッシュとファンデを用意してくれる。



「ホントにもー、世話が焼けるね」

「ごめんね」

「どーせ太輔がデリカシー無かったんでしょ？ほら、チークも」



アコちゃんはパパっと私のメイクを直してくれる。



そして直す手を止めずにアコちゃんは言う。

「ところでさ。来週遊びに行く時アクセサリーも見ていい？」

アコちゃんの手つきにみとれてて一瞬なんのことか分からない。



「え？」

「Aちゃんは結婚式に出るワンピースと靴でしょ？私はイヤリング見たいんだー」



へー、アコちゃんあまりイヤリングしないのに。
珍しい。



「うん行く」

「あと美味しいご飯ね。話すこと沢山たまってるからねー」

「あはは！私も！」



話してるうちに落ち着いてきた。

アコちゃんは多分私のためにアガる話をしてくれてる。
メイクもいつもより可愛いく仕上げてくれた。



「このチークがお気に召したら1080円でーす」

「ふふふ、ありがと」



しっかり営業もするアコちゃんに見送られて
東京へ向かった

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