この想いの結末は 9

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いよいよ明日は静岡。

果たして俺が
よく行動が読まれるマネージャーやアコに
バレずに出来るだろうか。



荷造りを確認してると
スマホが鳴る。

Aからだ。



「どした？」

『太輔ごめん、いま電話大丈夫？』

「うん」

『忘れものしちゃって…』



久しぶりの電話越しのAの声。

なんだかくすぐったい。



「なに忘れたの？」

Aの物が置いてあるところに向かうと

『鏡の近くにアクセサリー入れがあって。その中に 白くて丸い真珠がついてるイヤリングない？』

Aが困った声をしてる。



アクセサリー入れ？

探してるとイヤリングが入ったケースと
Aが言ってるイヤリングを見つける。

あ、これか。



「あったよ」

『わー、良かった。明日持ってきてくれない？』

「いいよ。持ってくね」

『助かるー』



Aがホッとしてるけど。

「このイヤリング、明日必要なの？」

あまりAがこれをしてるところを見た事がない。
お気に入りとかじゃなさそうだな。



『それアコちゃんが結婚式出る用にプレゼントしてくれたやつなの』

「あー、なるほど」



それは持っていきたい理由も納得だ。



『レンタカーも頼んだし、明日の予約もバッチリだし。事前にアコちゃんに行きたい所があることも言ってあるからその辺もオッケーだし』

「おぉー、さすが」

『何とお昼も今回は予約してあります！』

「えー！そうなの？」


これは頼もしい。

そして気になるのは…



『ストロベリースペシャルは？とお思いの太輔さん』

Aが言ってくれる。



そう。
久しぶりに食べたい！



「はい」

『マスターが明後日のチェックアウト後新幹線の時間までお店を貸切にしてくれました』

「えっ！」

『ふっふっふー』



嬉しそうに笑うA。

え、普通に凄いんだけど。



『ちょうどね、その日1人だから仕込みとかでランチ前に休憩したいんだって。だからいいですよ、って』

「え、Aすごくない？」

『ただし11時にはお客さん来るからそれまでに帰らないといけないからね』

「わかった」



楽しそうなAに感謝しかないんだけど。

『アコちゃんのネイルも可愛いの。楽しみにしててね』

ウキウキしながら言うA。



アコのことや俺のことにすごく色々準備してくれてるけど
大変だったんじゃないかな。



『いつも太輔に感謝してるからその御礼だよ』



Aは言うけど。



逆だよ。

俺がいつも感謝してるんだけどな。

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