この想いの結末は 9

after サプライズ？ 2 ページ1

Aside


11月に入る。

私は春にサブの資格を取れたばかりなのに
実績を認めてもらって半年で店長への昇格試験を受けることに。



「早くないですか？」

さすがに店長に尋ねた。

本来なら1年はかかるはずなのに。
認められてるのは嬉しいけどいくらなんでもほぼ半年しか経ってないのは早くないかな。



「勤続年数だけで言ったらAちゃんはエリアマネージャーでもいいんだけど」

「店長はエリアマネージャーやらないんですか？」

「私は子持ちだから転勤できないもん」



確かに店長には3歳と5歳のお子さんが居るから
そうだろうね。



「あとね、来週から東京で研修してもらうから」

「東京！？」

「最終試験の前の技術チェックね。本店に1週間缶詰だから」

「…えぇー…」



東京か。

てことは太輔のおうちに行けるかな。



でもなー。



「東京で施術試験みたいなものだからね。その次の週に筆記と面接」

「だから東京に行ってもゆっくりする時間なんかないですよね」

「ゆっくりしてもいいよ、受かるなら」

「うぅーー…」



ですよね。



てことは東京行ったところで
会ったら絶対私甘えちゃう。

しかも太輔とずっとくっついていたくなる。

絶対に勉強なんかしないよ。



「ダメだ、遊べない」

「あはははは、私も結婚前だからなー試験受けたの。その時は死に物狂いだった」

「ですよね。労務管理とか今まで知らなさ無さすぎて」

「店長だと大事よー！今は働き方とかあるから大事になってくるし女性多い職場だから産休や育休もマストだからね」



ううぅー、覚えらんないよ。

勤務は店長に任せてたから
何で休憩取らずに働いちゃダメかなんて考えたこと無かったし。



半泣きになってたらいい香りがする。



「Aさん頑張って！はいミルクティ」

ケイタくんが私と店長にミルクティを持ってきてくれる。



「「ありがとうー」」

「いえ」



置く仕草の一つ一つが丁寧なケイタくん。

私よりよっぽど女性らしいよ。



「女性らしさはケイタくんに学びたい」

「あはは、ありがとうございます」

「何か心掛けてることとかあるの？」

「ぼく小さい頃からお茶とか生け花とかやってたから特別意識ってしてないんですよね」



んー、そうやって染み付いたものならそうか。



でも私も取り入れたいな。



スピードと技術はまぁまぁ出来てると思う。

ただそれだけじゃ足りない気がしていて。



もう1つスキルアップした何かが欲しいなーって思う。

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