この想いの結末は 9

after サプライズ？ 4 ページ3

Aから連絡が来てから
ちょいちょいGPSを見てると
家についたのは1時になっていた。



遅いなー。



太輔お帰り。遅くまでお疲れ様。
明日午後からだから起こそうか?



そう送ったけど返事は無くて。

あー、寝ちゃったかな。
なんて思う。



来週のAの誕生日は会えるかな。



新曲のプロモーション始まっちゃうから
難しいかなー。




朝何時起きか分からなくて
そのまま電話出来ずに次の日の昼過ぎの移動中になってようやく

Aごめんね!LINE気づかなかった!
いま仕事に向かう電車の中です!

連絡が来る。



ため息をつくとマネージャーが気づいて

「どした？」

仕事か何かだと思って声を掛けてくる。



「あーAがさぁ」

「あっそ」

「…まだ何も言ってねーけど」

「おおかた試験前でまた会えないとかなんだろ？」



マネージャーはアコから聞いてるんだろうな。



「来週誕生日なんだよね、A」

「また新曲で休みがないタイミングで」

「でもAは俺の誕生日の瞬間が遅番で次の日は早番なのに来てくれて」



しかもAには新幹線のカードを渡してて
予約すると俺も見れるようになってるから
Aが乗る新幹線がわかるようになっているのに。

それを使わないで来てくれて
俺に分からないように来たから本当に驚いた。

だから俺も…



そう言うのを見越したマネージャーが

「やめとけ」

先に言ってくる。



「何でだよ」

「Aちゃんの邪魔する気か？」

「…だって」

「お前が会いに来たって分かったらAちゃんだって時間作らなきゃだろ？」

「………」



正論過ぎて何も言えなくて。



「ハッキリ言えば今のお前の存在邪魔なの」

「…そこまで言う？」

「ここまで言わないとお前絶対会いに行こうとするだろ？」



分かってる。

分かってるからこそ頑張ってるAに何かしたいと思ったんだよ。



でもその言葉はさすがに飲み込んだ。
マネージャーにエゴって言われるのが目に見えていたから。



あーもう。

クリスマスも年越しも別で
また彼氏らしさが出せない。



「つーかさ」

マネージャーが切り出す。



「なに」

ムカついて八つ当たりしつつ返事すると

「Aちゃんは誕生日当日に祝って欲しい、なんてのを彼氏に求めるような子ならそもそもお前を相手に選ばないんじゃない？」

ごもっともなマネージャーの意見に何も言えなくなる。




そうなんだけどさ。

何かしたいんだよ。

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